「占領下の出版物」に臼杵の人々の思い 市とプランゲ文庫の会が冊子刊行【大分県】

「プランゲ文庫収蔵 臼杵で出された占領下の出版物」を臼杵市とともに発行した大分プランゲ文庫の会の白土康代代表(左から2人目)とメンバー
プランゲ文庫に所蔵されている臼杵関連の15種類の新聞や雑誌などを紹介している

 【別府・臼杵】臼杵市と大分プランゲ文庫の会(別府市、白土康代代表)は冊子「プランゲ文庫収蔵 臼杵で出された占領下の出版物」(A4判、35ページ)を刊行した。「臼杵の人々の思いや活動ぶりに触れられる。多くの人に読んでもらいたい」と呼びかけている。

 同会は2006年から、占領期の検閲出版物(通称プランゲ文庫)の県内関連資料の解読や調査研究などに取り組んでいる。

 白土代表は09年から、東京臼杵人会(東京都)の会報に臼杵関連のプランゲ文庫について寄稿。22年に終えた。臼杵市は寄稿の内容をまちづくりの「道しるべの一つ」と位置付け、同会と冊子にまとめた。

 取り上げているのは▽北海部郡下北津留村連合青年団の「団報」▽臼杵中文化部が創刊した「臼中月報」▽「あなたは自由を守れ、新聞はあなたを守る」と書かれている「うすき民報」▽総合誌「大分春秋」に載せた実業家首藤定(臼杵市出身)のエッセー―など。新聞、雑誌といった全15種類の文書の出版者や編集者などを紹介し、主張している内容を解説している。

 白土代表は「戦争中に言論を抑え付けられていた人々が自分を解放して書き始めた雰囲気が分かる。そのエネルギーに触れてほしい」と話す。

 300部を作製。臼杵市が関係者に配布したほか、臼杵、別府両市の図書館などで閲覧できる。問い合わせはプランゲ文庫の会の丸井ゆみ子さん(090.4772.8105)。

© 有限会社大分合同新聞社