【ドライバー不在】自動運転技術の進歩がすごかった!無人タクシー営業が中国・アメリカで開始

自動運転において、EV(電動化)自動車・コネクティッドカー(ICT端末としての機能を持つ自動車)など、自動車業界には次々と新しい技術が生まれています。

「100年に1度の自動車革命」ともいわれる現在、自動車の進化から目が離せません。

本記事では、自動車の新技術の中から「自動運転」にフォーカスしてご紹介。

自動運転とは何なのか、どのようなことが可能になるのかを詳しく解説します。

「ファミリーカーを買いたいな」と検討中のご家庭は、自動運転技術にも目を向けてみてくださいね!

自動車の「自動運転」とは?

「自動運転」とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか?

自動運転について詳しく見ていきましょう。

自動車が「自動で」走行してくれる技術

自動運転とは、自動車がドライバーの手を借りずに自動で走行することです。

何をどこまで自動化できるかは、「運転レベル」によって異なります。

運転レベルとは、自動車の自動化の状態を6段階にレベル分けしたものです。

自動化できることが増えるほど数値が高くなり、完全自動化に近づきます。

最高レベルの5は、完全に「ドライバーいらず」の状態です。

自動運転技術の開発加速中

「自動運転なんて、まだまだ」というイメージを持つ人も多いかもしれません。

しかし世界各国のモビリティメーカーは、完全自動化に向けて積極的な開発を行っているのが現状です。

技術の進歩はすさまじく、中国やアメリカでは、すでに無人タクシーが営業運転を開始しているところもあります。

世界的な自動車メーカーがいくつもある日本も、開発に遅れを取ってはいません。

官民一体となった自動化への動きは加速しており、自動化に向けた法整備も進んでいます。

自動運転レベルをチェック!中国の無人タクシーはレベルいくつ?

システムが関与せず全て自分の手で運転する状態は、「自動運転レベル0」です。

それではレベル1や2……などのレベルでは、どのようなことが可能になるのでしょうか?

自動車の自動運転レベルをチェックしてみましょう。

参考:ついに日本で走り出す! 自動運転“レベル3”の車が走行可能に | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

レベル1

レベル1は、システムが運転操作の一部を代行する状態です。

アクセルやブレーキ、ハンドル操作を支援するシステムが1つ搭載されています。

例えば前の車と適切な車間を維持して走行する「クルーズコントロール」や車線内をはみ出さずに走行する「レーンキープコントロール」などを搭載している自動車は、自動運転レベル1です。

また自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)を搭載している自動車も、レベル1となります。

日本では、2021年からはフルモデルチェンジの新車に、2025年からは継続生産の新車について自動ブレーキを搭載することが義務付けられました。

今後日本の公道を走る自動車は、ほとんどが自動運転レベル1以上となるかもしれません。

参考:乗用車等の衝突被害軽減ブレーキに関する国際基準を導入し、新車を対象とした義務付けを行います。~道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部改正について~|国土交通省

レベル2

レベル2は、「先進運転支援システム(ADAS)」を搭載している自動車です。

アクセル・ブレーキとハンドル操作の両方をシステムが代行します。

また、レベル2は幅が広く細かく段階が設けられています。

例えば同じレベル2でも

という現在新車で発売されている車にはほとんど搭載されている機能もあれば、

というレベルまでを含みます。

レベル1と2の違いは、

レベル1が「アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかが、部分的に自動化された状態」

であるのに対し、

レベル2は「アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態」

となります。

レベル2の技術を搭載した自動車は、すでに各メーカーから販売されています。

例えばトヨタなら「Toyota Safety Sense」を搭載したアクア・ヴェルファイアなどがレベル2です。

ホンダは人気のN-BOXに「Honda SENSING」が標準搭載されており、レベル2に相当します。

レベル3

レベル3は、一定の条件下でシステムが全ての運転を代行する状態です。

運転の主体は人ではなく「システム」となるため、「真の意味での自動運転はレベル3から」などといわれます。

レベル3の自動運転技術を搭載した自動車は「条件付自動運転車(限定領域)」です。

世界初のレベル3搭載自動車は、2021年にホンダから、100台限定で発売されました。

日本では、2020年の4月から自動運転レベル3の自動車が公道を走ることが可能です。

一定の条件下でなら、ドライバーはシステムに運転を任せて構いません。

ただしシステムが運転を代行してくれるからといって、飲酒や居眠りは厳禁です。

また代行運転中に事故や違反があった場合も、「ドライバーの責任ゼロ」とはならないので注意しましょう。

レベル4

レベル4は、「高度運転自動化」の状態です。

ドライバーは運転操作からほぼ解放され、走行中でも運転を意識する必要がなくなります。

レベル4の特徴は、何らかの不具合が発生してもシステムが対応する点です。

レベル3では、状況に応じてドライバーが運転を代行する必要がありました。

しかしレベル4になると、不具合への対応もシステムが行うようになります。

レベル4の自動車は、特定の条件下でならドライバー不在の運行が可能です。

アメリカや中国ですでに営業している無人タクシーは、レベル4に該当します。

日本では2023年3月30日に、福井県永平寺町で使用する車両について日本初となるレベル4の認可が下りました。

レベル5

レベル5は、「完全自動運転車」すなわちシステムが完全に運転操作を代行する状態です。レベル4のような条件の制限がなくなり、ドライバーは全ての運転操作から解放されます。

レベル5が実現すれば、自動車のハンドルは必要ありません。

自動車の内装や外装も大きく変化するのではと考えられています。

自動運転レベル5の車は、マンガやアニメで見たような「未来の車」そのもの!

実現すれば人々の生活は大きく変わるでしょう。

ただしレベル5を実現するには、交通ルールの変更や法整備・インフラ整備が必須です。

自動化を実現するための環境整備のハードルが高いことから、レベル5の普及には時間がかかると見られています。

自動運転の普及で期待できる効果

自動運転技術は、超高齢社会に突入している日本にこそ必要な技術といわれています。

自動運転の普及によって得られるメリットを見ていきましょう。

運転ミスによる事故の減少

自動運転が普及すれば、人的ミスによる交通事故が減少すると考えられています。

交通事故の多くは、わき見や居眠り・スピードの出し過ぎなどです。

またドライバーの体調が悪かったり視界が利かなかったりすることで、事故が起きることもあるでしょう。

自動運転なら、運転するのはシステムです。

衛星からの情報やセンサー・カメラの情報などを読み込みながら運転するため、判断ミスが起こりません。

ドライバーの体調や周辺環境も運転に影響しにくく、常に安定して走れます。

またシステムが運転を代行すれば、不要なブレーキも減少するはず。

よく耳にする自然渋滞はブレーキにより生まれることがあります。

そのため自動運転は、渋滞の緩和にも有効だといわれています。

ドライバー不足の解消

運転手不要の自動運転車が増えれば、ドライバーは不要です。

人手不足に悩む物流業界にとっては大きな助けとなるでしょう。

少子高齢化が進む日本では、サービス業や運送業の人手不足が慢性化しています。

この傾向は今後ますますひどくなると考えられており、どの企業も人材確保に頭を悩ませている状況です。

ドライバー不足で必要な物が届かない……という状況が望ましくないのは、企業も個人も同じ。

自動運転技術に期待する声は、さまざまなところから上がっています。

交通手段を確保しやすくなる

地方は都心部ほど、公共交通機関が発達していません。

高齢になって車を手放すと、移動に使える足がなくなってしまいます。

地方の高齢者ほど免許返納をためらうのは、交通手段を確保できない不安があるためです。

自動運転が普及すれば、ドライバーの運転技術はさほど重視されません。

高齢者でも安心・安全な運転を実現しやすく、自由な移動をあきらめずに済みます。

高齢になっても行きたいところに行けるというのは、やはり大きなメリットです。

LKASやACCを搭載した自動車

ここからは、

・追従走行や速度維持が可能なACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)

・車線維持を支援してくれるLKAS(レーン・キープ・アシスト・システム)

などを搭載したおすすめ自動車をご紹介します。

トヨタ シエンタ

画像提供:トヨタ自動車株式会社

トヨタの最小ミニバンとして人気を集めるのが「シエンタ」。一見コンパクトですが、7人乗りもラインナップされていて、ファミリーカーに最適です。

シエンタに搭載されているのは、トヨタの安全パッケージ「Toyota Safety Sense」。

高速道路を快適に走れる「レーントレーシングアシスト」や「レーダークルーズコントロール」、安全運転をサポートする「プロアクティブドライビングアシスト」などが標準搭載されています。

自動車の安全性能評価も最高ランクを受けており、ストレスのない走行を実現できること間違いなし。

トヨタ シエンタ | トヨタ自動車WEBサイト

ホンダ N-BOX

画像提供:本田技研工業株式会社

2022年の国内販売台数NO.1に輝くのが、ホンダのN-BOX。室内空間の広さ・高さには定評があり、子どもを連れた気軽なお出掛けに最適です。フロントシートやリアシートは自由にアレンジできるため、人数や用途に合わせて自由にカスタマイズできます。

N-BOX に標準搭載されているのは、安全運転支援システム「Honda SENSING」。

適切な車間距離をキープする「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」、衝突軽減ブレーキ、車線維持支援システムなどがワンパッケージで付属します。

日常生活の足として気軽に使える自動車を探しているご家庭には、特におすすめの1台です。

N-BOX|Honda公式サイト

まとめ

日本ではレベル4が実現されたばかりで、完全自動化まではまだまだ先という印象です。 とはいえ、自動運転の実現に向けた取り組みは官民一体となって行われており、今後ますます発展していくと考えられます。 ハンドルのない完全自動化された自動車も、今の子どもたちが大きくなる頃には実現しているかもしれません! 文/カワサキカオリ

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