【近畿大会】男子は東山、女子は大阪薫英女学院が大会制覇!

6月23〜25日にかけて福井県で開催された「第70回 近畿高等学校バスケットボール大会」は男子・東山(京都①)、女子・大阪薫英女学院(大阪①)がそれぞれ優勝を飾った。


<男子決勝>

東山(京都①) 100(22-18、26-15、30-19、22-22)74

<女子決勝>

大阪薫英女学院(大阪①) 73(21-11、12-22、19-24、21-13)70

【男子】出場選手それぞれが躍動した東山が4年ぶり栄冠!

東山と阪南大のカードとなった男子決勝戦。阪南大は東山の#4佐藤友と#5瀬川琉久へのディフェンスにフォーカスして試合に臨んだ。

そんな中、序盤からリズムをつかんだのは東山だった。2人のスコアラーをマークする阪南大に対して、ギャップを生んだのはルーキーの#13佐藤凪。大澤徹也コーチが「今日は瀬川がフェイスガードでつかれたときに凪がいいところでシュートを打ってくれました」と#18カンダ・マビカ・サロモンとのピックプレーなどから快調にジャンパーを射抜くと、そのリズムを合わせるように#5瀬川や#4佐藤も得点。セカンドユニットの#8小泉広翔や#11伊計叶貴らも要所のプレーでリズムをつなぎながら1Qで22-18、前半を終える頃にはその差を15点(48-33)まで広げ、リードを奪う。

4本の3P含むゲームハイの28得点をスコアした#13佐藤

後半に入ると阪南大も#23酒瀬川和也の積極的なペイントアタックや#4ンワンクォ・チネドゥ・ゴッツウィルの連続得点などで反撃に転じるが、流れを一変されるまでには至らず。東山は先発陣が下がっても代わってコートに入った#15ナトゥリ・オンケン・ベナミネはリバウンドで、#9竹内龍ノ介もランニングゲームで得点するなど、ベンチメンバーもそれぞれが自身の役割を全うしていった。

また、力を入れているディフェンス面でも阪南大を封じ込め、最終スコアは100-74。東山は#13佐藤の28得点を筆頭に#4佐藤と#5瀬川も20得オーバー、さらに出場12選手中9選手が得点するバランスの良さを見せ、4年ぶりの近畿大会制覇を成し遂げた。

大澤コーチは「チームとしてはすごく良い状態でインターハイに臨める」と満足げな表情。続けて「今大会はできるだけインターハイに近い状態でゲームをやらせてあげたくて、その中で選手個々が『これくらいできるだろう』という自分の理想とのギャップもあったと思うので、その差を埋めないといけません。それに、ウインターカップの追加の出場枠も懸かっていたので、緊張感のある中で試合できたと思います」と個々の成長にフォーカスするという意味では良き実践の場となったようだ。今年は例年以上に層が厚く「控えの選手も本当に遜色なくプレーできるし、毎日の5対5の組み合わせにしても実力が拮抗した状態でできるのですごく充実している」という。インターハイにはまさしく全員バスケで挑んでくるはずだ。

接戦が多かった今大会は阪南大にとっても成長の場となった

阪南大としても、準々決勝の

戦、準決勝の

戦と厳しいゲームを勝ち抜いて決勝に進出できたことは大きなプラス。森本正コーチは東山戦の完敗も含めて、「改めてバスケットは小さいことの積み重ねだと感じさせられることが多かったです。一つのディフェンスや数字に表れない小さなことを積み重ねが必要だと感じたので、ファンダメンタルをしっかり固めていきたい」と先を見据えた。

【女子】粘りの再逆転で大接戦を制した大阪薫英女学院が大会連覇!

昨年と同カード、京都精華学園と大阪薫英女学院の対戦となった女子決勝は、白熱の一戦となった。

先手を取ったのは薫英。持ち味の激しいディフェンスとアウトサイドを織り交ぜた攻撃で先行すると、#4木本桜子と#6木本桃子、さらには途中出場の#9岩井萌もドライブで積極的にリムアタックし、1Qで10点のリード(21-10)を奪う。

しかし、2Qに入ると得点が停滞。京都精華もリズムよく得点はしていなかったが、#6川地汐夏の連続得点やフリースロー、#5八木悠香から#15ディマロ・ジェシカへのハイローなど、要所で各選手が活躍していった。10点あったリードはジリジリと縮まり2Qで同点、3Q終了時に逆に5点のビハインド(52-57)に変わっていた。

それでも、ディフェンスのプレッシャーをかけ続ける薫英は、#4堀内桜花がベンチに下がっている時間帯に京都精華のガード陣からターンオーバーを連続で誘発。スティールからのイージーレイアップや、フロアを広く使って#6木本桃子と#5島袋椛が連続3Pで4Q残り3分15秒で再び同点に(66-66)。最後は木本姉妹のフリースローで逆転に成功すると、最後まで点差を守り切り最終スコア73-70で大会連覇を果たした。

要所の得点で勝利に貢献した#6木本桃子

薫英にとって大きかったのが、京都精華のキーマン#5八木をスローダウンさせたこと。この試合では12得点を奪われ、#15ジェシカとのハイローで起点となられたが、リバウンドや大事な場面での得点は最小限に抑えた。薫英・安藤香織コーチも「留学生のインサイドに対しては『やられてもいい、取り返すんだ』ということだけを言っていました。警戒していたのは八木。とにかく八木にやらせないというところでした。ディフェンスで寄ってもやられるし、リバウンドも彼女が取るので」と抑えどころを見定めて試合に臨んでいた。

一度は逆転されたものの、そのから再逆転できる粘り強さと勝利への執念は今年のチームの強みの一つ。特にキャプテンの#4木本(桜)を中心に「昨年の都野(七海/トヨタ紡織)のようなエースはいませんが、今年はチーム力がすごいです。特に桜子が3年生をフォローしたり、ミーティングでもありとあらゆる対策を考えているし、コート内でもよくしゃべっている」と安藤コーチも絶賛。下級生が多く試合に絡んでいることもあってまだまだ荒削りなところはあるが、全体的にはサイズアップし、昨年よりも選手層は厚い。この伸び盛りなメンバーがインターハイ本戦までにどこまで進化しているのかが楽しみだ。

薫英#5島袋(左)と京都精華#5八木のマッチアップは見応えがあった

対して、敗れた京都精華学園は選手育成の場と位置付けた今大会では課題が浮き彫りに。「#16橋本(芽依)と#17桃井(優)、#14林(咲良)を育てようと努力してきましたが、まだ最後の場面で力を出すところまではいけていません。アウトサイドから確実に決められる子がまだ少ないですし、今日の試合では薫英さんの方がそこの得点が多かった。ウチもアウトサイドシューターをもっと育てないといけないと思います」と山本綱義コーチ。府内では大差で勝利することが多く、苦い敗戦ではあるが、こうしたクロスゲームの経験はチームにとってはプラスに働くはず。#4堀内、#5八木、#15ジェシカの3本柱に次ぐ選手が誰になるのか、今後の成長に期待したい。

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