緊急避妊薬、処方箋不要に 厚労省、夏から試験運用

国内で承認されている緊急避妊薬

 厚生労働省は26日、性交直後の服用で望まない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬(アフターピル)」について、一定の要件を満たす薬局に限定し、夏から試験的に医師の処方箋なしでの販売の運用を開始することを決めた。試験運用は調査研究として来年3月まで実施、地域の偏りがないように全都道府県で選定する。同日の検討会議で「課題に対応した上で早期の(正式な)市販化が望まれる」と促した。

 現在は医師の処方箋がある場合に購入が可能だが、避妊失敗や性暴力などによる望まない妊娠を防ぐため「全面的な市販化を早急に実現してほしい」という要望が出ていた。正式な市販化には、ほかに薬事承認の手続きが必要。

 試験運用する薬局の要件は原則、研修を受けた薬剤師が販売する、夜間や土日祝日の対応が可能、近くの産婦人科などと連携できる、個室があるなどプライバシーが確保できる、の四つ。18歳未満にも販売する方向で検討する。

 緊急避妊薬の成分はレボノルゲストレル。性交後72時間以内に飲んで妊娠を高確率で回避する。臨床試験では約80%が避妊できた。

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