4.5mの大迫力!「村上隆」国内初公開作品は一見の価値あり

日本を代表する現代美術作家の一人・村上隆の、国内初公開となる大型作品の展示が大きな話題となっている、「国立国際美術館」(大阪市北区)での展覧会『コレクション1 80/90/00/10』が、6月24日に開幕した。

村上隆《727 FATMAN LITTLE BOY》2017年 Background in collaboration with MADSAKI 国立国際美術館蔵 (C)2017 Takashi Murakami/Kaikai KiKi Co., Ltd. All Rights Reserved.

同館が22年度に新たに収蔵した作品を中心に、約60点の美術作品を紹介する企画。村上のほかにも、奈良美智、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタインなど、特に美術に詳しくなくても、一度は耳にしたことがあるような名だたるアーティストの作品がそろっている。

目玉となる村上の大型作品『727 FATMAN LITTLE BOY』は、会場に入って早々に、「ドーン!」 と効果音が付きそうな風格で展示されている。縦3m×横4.5mという大きさだけでなく、ポップなかわいさと牙を向いてくるような暴力性がタッグを組んで襲いかかるような空気感に圧倒されることだろう。

今回のコレクションでは、村上の作品世界に色濃く反映される「アメリカ」を象徴する有名アーティストや、彼同様に漫画やアニメなどのポップカルチャーを取り入れた国内アーティストの作品も展示。結果的には村上を軸に、国内外のアートの状況をコンパクトに知ることができる展覧会となった。

奈良美智《長い長い長い夜》1995年 国立国際美術館蔵 (C)Yoshitomo Nara

「現代アートの40年の流れを、俯瞰できるような展示になりました。名前だけは知っているようなアーティストの作品の実物を、この機会に観ていただけたら」と、同館の島敦彦館長。そのなかでも、あまりにも特殊かつスケールの大きな作品ゆえ、12年ぶりに展示が実現した束芋の映像インスタレーション『団新』も要チェックだ。

同展は9月10日まで、国立国際美術館の「B2階展示室」で開催。時間は朝10時~夕方5時で、金・土曜は夜8時まで開館(最終入場は閉館30分前)。料金は一般430円ほか。

取材・文・写真/吉永美和子

『コレクション1 80/90/00/10』

期間:2023年6月24日(土)– 9月10日(日)
時間:10:00〜17:00(金・土曜は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(7月17日は開館、翌18日は休館)
会場:国立国際美術館(大阪府大阪市北区中之島4-2-55)
料金:一般430円、大学生130円、高校生以下・18歳未満・65歳以上は無料
電話: 06-6447-4680(代表)

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