宿題に“生成AI利用”都教委が注意…利用のメリットは「問いを立てる力」の向上

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。6月16日(金)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、東京都教育委員会が注意喚起した、夏休みの宿題における“生成AI利用”について取り上げました。

◆生成AIは使い方によっては大きなメリットも

東京都教育委員会は、夏休みの宿題などで「ChatGPT」などの生成AIの回答をコピーして提出しないよう注意喚起する通知を都立学校に出しました。

通知では「児童・生徒が自ら考える力を育成することが重要」と説明した上で、日記や読書感想文などの宿題ではAIの回答をコピーして提出しないよう注意を促すことや、レポート課題は教師が説明した内容を踏まえて書くよう指示することなどを明記。

都の教育委員会は今後、学校での生成AIの活用方法について改めて周知するということです。

Health for all.jp代表の茶山美鈴さんは、「まだChatGPTも出始めで、教師もどう対策すべきか議論していてわからない部分があると思う」と慮ります。その上で、教育委員会が生成AIの使い方を詳しく提示したり、学校自体もしっかりと子どもたちに教育することで「AIの正しい使い方に繋がっていくのではないか」と私見を述べます。

生成AIの使用にあたっては、いかに指示するか、問いの立て方(プロンプト)が重要になります。「The HEADLINE」編集長の石田健さんは「プロンプトをどう作るかは、我々も自社で生成AIを利用してニュースを自動生成しているが、自然言語能力の運用と関係していると思う」と語ります。

というのも、例えば、単純に「要約してください」「分析してください」と指示するだけではあまり意味がなく、要件に対してより厳しく定義し、細かく指示していくことが重要になってくるとし、「子どもたちの自然言語能力と密接に関係していると思う」と実感を語ります。

キャスターの堀潤は、生成AIの利点として「問いを立てる力が鍛えられること」を挙げます。

堀の意見に、新公益連盟 代表理事の白井智子さんも「コピーするのは良くないが、問いの立て方はAIを使って学ぶほうが、可能性があると思う」と同意。

では、その問いの立て方はどうしたら強化できるのか。石田さんは夏休みの宿題の定番「読書感想文」を引き合いに「これは"感想”という名がついているが、基本的にはあらすじに対して構造を分解していく。問題の全体像を把握して構造化していく能力自体は普遍的なものだと思うので、問題解決ではなく問題発見のところで教えていくことは可能だと思うし、そこは生成AIの得意領域でもあるので、そういうところから学んでいくのも大事なポイントかなと思う」とメリットについて言及。

生成AIのコピー問題について、茶山さんは、自身が通う大学の法学部の教授に話を聞いたところ、教える側としてはその回答が生徒のものなのか、生成AIによるものなのかは、問題の難易度、生徒の学力などから何となくわかるそう。そのことから「(コピーを)『するな』と言われているのにやり続け、自分の考えを深めていけないような宿題のやり方や学び方は良くないというのは伝えたい」と話していました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

© TOKYO MX