高志の国文学館(富山)に新イベント続々  室井館長が初会見、文学サロンや夜噺

「皆さんにとってサロン的役割を果たす場所にしたい」と語る室井館長=高志の国文学館

 高志の国文学館(富山市)の室井滋館長が26日、4月の就任後初めて同館で記者会見し、本年度の新事業を発表した。室井館長がゲストと語り合う文学サロンや子ども向けイベントを開き、幅広い世代の来館を目指す。「皆さんにとってサロン的役割を果たす場所にしたい」と語った。

 新たな事業は室井館長の俳優としての人脈を生かして企画。ゲストを招き公開対談する「室井滋の文学サロン キトキトの仲間たち」を年3回実施する。初回7月15日のゲストは直木賞作家の中島京子さん、10月は富山市出身の映画監督本木克英さん、12月は白鷗大教授の岡田晴恵さん(感染症学)を予定する。

 「夏のこどもフェスティバル」は8月11日に開き、クイズラリーや読書会などを行う。県出身の著名人と室井館長が朗読とトークを繰り広げる「室井滋の夜噺(よばなし)シリーズ」も始め、8月上旬の初回は富山市出身の俳優内浦純一さんを招き、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の怪談を披露する。

 現在開催中の「絵本作家降矢(ふりや)なな原画展」の会場を360度カメラで撮影して7月にウェブ上で公開することや、例年開いている文学講座の一部を参加体験型に変更することも発表した。「お子さんや若い人にも自分たちがくつろいだり学んだりできる場所だと知ってほしい」と強調した。

 県内の文化施設トップが記者会見するのは珍しい。室井館長は文学館の情報について「私が伝えるべきことだと思う」と話し、今後3カ月に1度程度のペースで記者会見するという。

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