国内資源の肥料増へ 堆肥、下水汚泥由来を紹介 東京都内で初のフォーラム

国内資源を活用する技術や資材をPRした展示ブース(26日、東京都大田区で)

国内資源の肥料利用の拡大に向けて関係者が情報交換する初のフォーラムが26日、東京都内で開かれた。肥料メーカーなど47の事業者が出展し、ペレット堆肥や下水汚泥由来の肥料などを産地関係者らに紹介。資材高騰の中で、地域資源を活用して化学肥料を削減できれば、コスト低減につながる可能性もある。堆肥製造の先進事例の発表などもあり、関心を集めた。

「国内肥料資源の利用拡大に向けたマッチングフォーラム」と題し、農水省の補助事業の一環で開かれた。約300人が参加した。

各事業者がブースを設け、家畜ふん堆肥や堆肥をペレット化した肥料、下水汚泥由来のコンポスト、食品残さを活用した肥料などをアピール。堆肥の攪拌(かくはん)機や散布機などのメーカーも出展した。

先進事例として、熊本県JA菊池は堆肥センターを紹介。3施設で年間1万トン以上の堆肥を受け入れ、雑草種子の死滅などのため7~10日ほど高温での発酵を徹底しているとした。堆肥製造に時間がかかることや、販路開拓を課題に挙げた。

基調講演した秋田県立大学の金田吉弘名誉教授は、堆肥などの有機物施用の要点として、有機物ごとの肥効や農地の課題を踏まえた施用、土壌診断の活用などを挙げた。

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