100kg超え巨大魚が巣食う海底、ダイバーが潜り撮影。

海の中はどうなっていて、どんな魚がいるのだろうか。魚たちが暮らす場での、そのリアルな生活を垣間見たい。そんな思いで水中に潜り、撮りためた写真を集大成しました。高級魚として知られるカンパチはヒラマサと並んでアジ科の中で最も大きくなる魚のひとつであり、流れの強い岩礁帯の周辺に住んでいる。ブリの仲間だがやや南方系の魚だ。

→本当に存在した、巨大魚の巣

●文:ルアマガプラス編集部

水中写真で見るサカナの生態:カンパチ

【Target Profile】

カンパチ

本州中部以南に分布。ブリの近縁種でアジ科、ブリ属では最も大きくなり100kgを超すものもいる。背部は紫青色で腹部は淡灰色。体側の中央を黄色い線が縦走する。頭部には黒褐色の帯があり、背中から見ると、八の字に見える。そのためカンパチの名が付いたといわれている。

大型カンパチが付くカンパチの根が存在する

カンパチは好奇心が旺盛な魚だ。ダイバーの吐く泡に寄ってきたり、海底の砂を巻き上げるといつのまにか近くにいたりする。好奇心が旺盛ということは、獲物への執着心も強いということになると思う。

何してるんだとでも言いたげに近寄ってきたカンパチ。
ダイバーのエアに寄ってきたカンパチ。好奇心旺盛だ。

カンパチは50cmくらいまでの若魚のころは群れで行動するのをよく見かけるが、大型になると2尾くらいでいる場面に遭遇することが多々。ときには100kg超えのモンスターもいるので圧巻だ。

磯際の比較的浅い場所をゆったりと回遊している。

カンパチの根というのが存在するのをご存じだろうか。そこに潜るとほぼ確実にでっかいやつと出会える。迫力の姿を眺めているだけで大満足だが、その根はまたカンパチのエサとなる小魚の宝庫なので、潮がよければハンティングシーンもお目にかかれる。

さすがに近寄って見ることはできないが、ぐるぐると回って小魚の群れに突っ込んでいくのは感動的だ。

根周りには大型のカンパチが付いていることも多い。

(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です。)

魚は水中でどんなふうに暮らしているのだろうか?

海の中はどうなっていて、どんな魚がいるのだろうか。魚たちが暮らす場での、そのリアルな生活を垣間見たい。そんな思いで水中に潜り、撮りためた写真を集大成しました。釣魚の行動観察録にはじまり、海中を彩る多種多様な魚たちの生態、そして捕食の瞬間まで、釣魚の生の姿を大紹介。水中撮影での苦労話やトピックス、各魚種の釣り方なども盛り込んでいます。

『水中釣魚ワールド』


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