【米ビルボード・ソング・チャート】モーガン・ウォレン通算12週目の1位、約42年ぶりにカントリー・ソングがTOP2独占

モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」が通算12週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

今年の2月6日にリリースされた「ラスト・ナイト」は、2月18日付で3位に初登場してから3月18日付で首位に到達。4月15~22日付の2週、5月6日付~今週(7月1日付)まで9週連続をマークして、通算12週目の首位を獲得した。

今週の集計期間(2023年6月16日~6月22日)にエアプレイが7,220万回(4%増加)、ストリーミングが2,980万回(1%増加)、セールスは7,000(3%減少)をそれぞれ記録して、エアプレイ・チャートで4位をキープ。ストリーミング・ソング・チャートでは通算14週目の首位を獲得して、デジタル・ソング・セールス・チャートでは3位から2位に上昇した。

カントリー・ソング・チャートでは今週20週目の首位を獲得して、昨年19週(2022年5月~12月)をマークした「ユー・プルーフ」を上回る自己最長記録を達成。1958年に集計が始まった同チャートで首位獲得週が20週を超えたのは「ラスト・ナイト」が史上7曲目で、トップは2017~18年にビービー・レクサ&フロリダ・ジョージア・ラインの「メント・トゥ・ビー」が打ち立てた50週となっている。

「ラスト・ナイト」は、カントリー・エアプレイ・チャートでも8週目の首位をキープして、前述の「ユー・プルーフ」が記録した10週に次ぐ2番目の記録を更新。また、今年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートでも今週4週目の首位を獲得した。

「ラスト・ナイト」が収録された最新作『ワン・シング・アット・ア・タイム』も、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で通算14週目の首位を獲得していて、両チャートでそれぞれ10週同時にトップに立った。

収録曲がソング・チャート“Hot 100”で首位を獲得しながら、同じ週にアルバム・チャート“Billboard 200”でも10週以上首位を獲得したのは、1992~93年にホイットニー・ヒューストンの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(Hot 100)と、サウンドトラック『ボディガード』(Billboard 200)が同時に12週を記録して以来約30年ぶりで、以下に続く4作目の快挙となる。

13週
Billboard 200
サウンドトラック『サタデー・ナイト・フィーバー』(13週)
Hot 100
ビージーズ「ステイン・アライヴ」(4週)
ビージーズ「恋のナイト・フィーヴァー」(8週)
イヴォンヌ・エリマン「アイ・キャント・ハヴ・ユー」(1週)

12週
Billboard 200
サウンドトラック『ボディガード』(12週)
Hot 100
ホイットニー・ヒューストン「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(12週)

10週
Billboard 200
マイケル・ジャクソン『スリラー』(10週)
Hot 100
「ビリー・ジーン」(7週)
「今夜はビート・イット」(3週)

10週
Billboard 200
モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(10週)
Hot 100
「ラスト・ナイト」(10週)

チャートに戻り、今週2位にはルーク・コムズの「ファスト・カー」が先週の3位からワンランクアップして、最高位を更新した。エアプレイは21%増加の5,130万回、ストリーミングも4%増加の2,120万回にそれぞれ上昇していて、セールスも10,000と高水準を維持している。

「ファスト・カー」が2位に上昇したことで、今週は1位の「ラスト・ナイト」とカントリー・ソング2曲がTOP2を独占。カントリー・ソングが1位と2位にランクインしたのは、エディ・ラビットの「恋のレイニー・ナイト」が1位、ドリー・パートンの「5 to 9」が2位にランクインした1981年3月7日付以来、約42年ぶりのチャート・アクションとなる。

また、ストリーミング・ソング・チャートでも今週「ラスト・ナイト」が1位、「ファスト・カー」が2位にランクインして、同チャート初のTOP2をカントリー・ソングが独占する快挙を達成した(カントリー・ソングの定義はカントリー・ソング・チャートにランクインした曲とする)。

ジャンル別では、カントリー・エアプレイ・チャートでも「ラスト・ナイト」と「ファスト・カー」がワンツーフィニッシュを飾り、同チャートの集計が始まった1990年以降、Hot 100とカントリー・エアプレイ・チャートで同時にTOP2を独占する初の記録も打ち立てている。

「ファスト・カー」は、その他アダルト・コンテンポラリー・チャート、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャート、ポップ・エアプレイ・チャートでそれぞれTOP25にランクインした。

「ファスト・カー」は、女性シンガーソングライターのトレイシー・チャップマンが1988年にリリースした同名曲のカバーで、トレイシー・チャップマンはソングライターとして1996年6月に最高3位を記録した自身のヒット曲「ギヴ・ミー・ワン・リーズン」を上回る、自己最高位を更新している。

続いて3位には、先週の4位からレマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」が再び上昇して最高位に復帰した。また、今週8,730万回(1%増加)を記録してエアプレイ・チャートで1位に浮上し、両者初のNo.1タイトルを獲得している。

今週「カーム・ダウン」がエアプレイ・チャートで首位に到達したことにより、先週まで18週トップを独占していたマイリー・サイラスの「フラワーズ」はその記録を19週目に更新することはできなかったが、現時点ではグー・グー・ドールズの「アイリス」と同率の史上2番目の最長記録を達成している。

26週 ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」(2020年)
18週 グー・グー・ドールズ「アイリス」(1998年)
18週 マイリー・サイラス「フラワーズ」(2023年)
16週 マルーン5「ガールズ・ライク・ユー feat. カーディ・B」(2018年)
16週 マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年)
16週 ノー・ダウト「ドント・スピーク」(1996~97年)
15週 アデル「イージー・オン・ミー」(2021~22年)

「カーム・ダウン」は、2022年2月にレマ名義でオリジナル・バージョンをリリースした後、同年8月にセレーナが参加したリミックスが発売され、翌9月にはミュージック・ビデオを公開。リミックスとMVの反響により徐々にチャートを上昇し、今年の3月25日付で8位に、登場28週目でTOP10入りを果たした。約1年前から集計が始まったアフロビーツ・ソング・チャートでは、今週首位獲得週を史上最長の43週目に更新している。

上位2曲の上昇により、マイリー・サイラスの「フラワーズ」は先週の2位から4位にダウン。5位は、リル・ダークの「オール・マイ・ライフ feat. J.コール」が先週に続き同位をキープして、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは、それぞれ5週目の首位を獲得した。

先週6位に浮上したトゥーシーの「フェイバリット・ソング」も同位をキープして、テイラー・スウィフトの「カルマ feat. アイス・スパイス」が先週の9位から7位に上昇。シザの「キル・ビル」は7位から8位に順位を下げたが、R&Bソング・チャートでは通算27週目の首位をキープしている。

メトロ・ブーミンの「Creepin' with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ」は先週の8位から9位にダウンして、エスラボン・アーマード&ペソ・プルマの「Ella Baila Sola」は先週に続き10位にランクインした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月30日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
2位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
3位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
4位「フラワーズ」マイリー・サイラス
5位「オール・マイ・ライフ」リル・ダーク feat. J.コール
6位「フェイバリット・ソング」トゥーシー
7位「カルマ」テイラー・スウィフト feat. アイス・スパイス
8位「キル・ビル」シザ
9位「Creepin'」メトロ・ブーミン with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ
10位「Ella Baila Sola」エスラボン・アーマード&ペソ・プルマ

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