【2023年】ホンダ 新型フリードはフルモデルチェンジ間近! トヨタ 新型シエンタとのライバル比較、価格や納期など徹底解説

ホンダ 新型フリードは発売から約7年を経過してフルモデルチェンジも近いですが、日本ではN-BOXの次に多く売られているホンダ車で、販売は今でも好調です。まもなく新型が登場しますが、真新しさはないもののいまだに高い人気を誇る新型フリードとトヨタ 新型シエンタのライバル比較、価格や納期、買い得グレードなどをカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが解説します。※当記事では2023年6月時点で販売しているモデルを「新型フリード」と記載しています。

ホンダ 新型フリード HYBRID G Honda SENSING[ボディカラー:シーグラスブルー・パール/2019年10月マイナーチェンジ] [Photo:茂呂 幸正]

新型フリードのおすすめポイント

・視界の優れたコンパクトなボディによって運転しやすい

・ボディは小さくても、背の高い外観はミニバンらしさがある

・3列シートの新型フリードに比べて、2列シートの新型フリード+は荷室が広く車中泊にも適している

新型フリードのレビュー・評価

総合評価 3.0 ★★★☆☆

5段階採点の解説

外観

全高が1700mmを超えるスライドドアを装着したボディは、サイズがコンパクトでも存在感が強いです。視界も優れています。

内装

発売から約7年を経過して、目新しさは薄れましたが、視認性、操作性、質感などに不満は感じません。居住空間もボディサイズ相応に広いです。

走行性能

新型フリードのハイブリッドエンジン

パワーユニットは直列4気筒1.5Lのノーマルエンジンとハイブリッドが用意されています。動力性能はもう少し向上させて欲しいところです。

運転のしやすさ

ミニバンとあって視線の高さが適度で、車両の周囲も見やすいです。小回りの利きも良いため、ミニバンでは運転しやすいです。

乗り心地

設計が古いため、乗り心地に少し粗さを感じます。それでも不快感は生じません。ノイズは平均レベルです。

価格の割安度

1.5Lノーマルエンジンを搭載するGグレードの価格は233万900円です。

サイド&カーテンエアバッグなどはオプションですが、ミニバンの中では安価な価格設定となっています。

総合評価の解説

発売から約7年を経過しているので、走行性能、乗り心地、安全装備、ハイブリッドの燃費には、設計の古さが散見されます。

その半面、外観はミニバンの典型で視界も優れ、コンパクトなサイズと相まって運転しやすいです。

また2列目シートは、両側にアームレストを備えたセパレートタイプのキャプテンシートが6人乗りモデルでは標準装備されているので、座り心地が快適です。中央が通路になって車内の移動もしやすいです。3列目は広くはないですが、大人6名の乗車は可能です。

新型フリードの2列目シート, 新型シエンタの2列目シート
新型フリードの3列目シート, 新型シエンタの3列目シート

路面から荷室の開口下端部までの高さは、3列シートの新型フリードが480mm、2列の新型フリード+は335mmと低く、重い荷物も積みやすいです。

新型フリードはコンパクトミニバンの中では荷室が広く、実用性を重視するユーザーに適しています。走行性能や乗り心地に不満はありませんが、販売店の試乗車を使って確認したいところです。

良かった点

・荷室は床が低く広いため、自転車などの大きな荷物も積みやすい

・2列目にはキャプテンシートが備わり、座り心地と見栄えが良い

・新型フリード+は純正アクセサリーのボードを使うと荷室を上下2段に分けられて便利

気になった点

・ハイブリッドの燃費性能はコンパクトSUVとして不満がある

・3列目は床と座面の間隔が不足しているため腰が落ち込み、膝は持ち上がるため、長時間座るのは難しい

・安全装備は今となっては少し物足りなく、後方の並走車両を検知して知らせる機能などは装着できない

新型フリードの基本スペック・価格表

新型フリード ガソリン

新型フリード ハイブリッド

新型フリード+ ガソリン

新型フリード+ ハイブリッド

ホンダ 新型フリードは、全長を4300mm以下に抑えた5ナンバーサイズのコンパクトミニバンです。最小回転半径は5.2mに収まり、小回りの利きも優れています。

水平基調のボディによって視界も良く、混雑した街中や駐車場でも運転しやすいです。2列シートで荷室の広いフリード+(プラス)も用意されています。

新型フリード+

新型フリードは2016年に発売されました。それでも人気が高く、ホンダ車の中での売れ行きも設計の新しいフィット、ヴェゼル、N-WGNなどを上まわります。新型フリードは、日本ではN-BOXの次に多く売られているホンダ車です。

新型フリードのボディサイズ

新型フリードの燃費

2WDの場合、ノーマルエンジンのWLTCモード燃費は17km/Lです。ハイブリッドは20.9km/Lで、ノーマルエンジンと比べて燃費向上率は23%に留まります。

燃費を気にしてハイブリッドを選択するという人にとっては少し物足りないでしょう。

新型フリードの発売日と納期の目安

新型フリードは2016年に発売されました。直近では2022年に一部改良され、15インチアルミホイールやドアハンドル、ドアミラー、シートなどを黒色で統一した特別仕様車の「ブラックスタイル」も追加されています。

新型フリードは発売から約7年を経過してフルモデルチェンジも近いですが、販売は今でも好調です。運転のしやすさ、求めやすい価格などにより、設計の新しい新型ステップワゴン以上に売れています。

ホンダ 新型ステップワゴン

納期と今後のモデルチェンジ予想

販売店によると「新型フリードの納期は約半年」とのことです。今でも1年以上を要する車種があるため、新型フリードは短い部類に入ります。

注意したいのは発売から約7年を経過していることから、フルモデルチェンジが近いことです。2024年中には、次期型が登場する可能性が高いです。

新型フリードのリセールバリュー

リセールバリューの5段階採点:4点

発売から7年を経過したため、売却時には中古車市場に新型フリードが大量に流通しています。

多く出回っているため、有利な条件では手放せませんが、実用的なコンパクトミニバンですので、売却額が極端に下がる心配もないでしょう。

新型フリードのおすすめグレード

おすすめグレード:1.5G(233万900円/2WD)

車中泊に使うことを想定している、もしくは荷室の広さを重視するなら2列シートの新型フリード+を選ぶべきですが、そうでない方は人を乗せたり、物を載せたりなど、使い方の選択肢が広がる3列シートがおすすめです。

新型フリード+ の荷室

買い得グレードは、ノーマルエンジンを搭載して価格を233万900円に抑えたGグレードです。これにサイド&カーテンエアバッグを加えましょう。

ハイブリッドは燃費が良くないので選びにくいです。

新型フリードのライバル比較

ライバル車はトヨタ 新型シエンタで、ボディサイズは新型フリードとほぼ同じです。

新型シエンタの3列目の足元空間は新型フリードよりも狭いですが、床と座面の間隔に余裕があり、膝の持ち上がる着座姿勢にはなりにくいです。

新型フリードの3列目シート, 新型シエンタの3列目シート
新型フリードの3列目シート, 新型シエンタの3列目シート

新型シエンタは2022年に登場したので設計も新しく、走行性能や乗り心地が優れています。特にハイブリッドのWLTCモード燃費は売れ筋グレードでは28.2km/Lに達します。

新型シエンタの衝突被害軽減ブレーキは、右左折時に直進してくる対向車を検知するなど、安全装備の性能も新型フリードを上まわります。

トヨタ 新型シエンタ

その一方で、新型シエンタの2列目シートはベンチタイプのみが設定されています。新型フリードのようなキャプテンシートは選べません。

新型シエンタの3列目シートを2列目の下に格納すると、スッキリと広い荷室に変更できますが、3列目の格納時には2列目も動かす必要もあり、シートアレンジが少し面倒です。

新型フリードの2列目シート, 新型シエンタの2列目シート
新型フリードの2列目シート, 新型シエンタの2列目シート

全般的に設計の新しい新型シエンタが優位ですが、ミニバンの機能としては、荷室は床が低く広いため、自転車などの大きな荷物も積みやすいことや2列目にはキャプテンシートが備わっており、座り心地と見栄えが良いことなど、新型フリードも優れた特徴があります。

新型フリードのカラーバリエーション

プラチナホワイト・パール

新型フリードを販売店で試乗するときのポイント

登り坂などを走り、動力性能と、エンジンノイズが耳障りでないか確認しましょう。

街中を時速40km程度で走行している時に、路上の細かなデコボコが気にならないか、乗り心地もチェックしておくと良いでしょう。

また縦列駐車や車庫入れを行って、運転のしやすさも確認しておいた方が安心です。

居住性は、1列目と2列目に加えて、3列目シートに注意します。これまで触れてきた通り、床と座面の間隔が足りず、腰が落ち込んで膝が持ち上がりやすいからです。実際に座って着座姿勢をチェックしましょう。

3列目の格納操作も行い、荷室の広さなども確認しておくと、ご自身の生活スタイルに合った使い方をイメージしやすいです。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:佐藤 正巳/堤 晋一/茂呂 幸正】

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