いじめによる母娘心中 郡仙台市長が改めて再調査を否定

仙台市泉区で小学2年生の児童とその母親がいじめを苦に心中したとみられる事件で、仙台市の郡市長は改めて再調査を否定しました。

記者「改めて再調査の必要性について判断することはもうしないということでよろしいでしょうか」
郡市長「私自身はそのように考えております」

2018年、仙台市泉区で当時小学2年生の女子児童とその母親が心中したとみられています。

仙台市教育委員会は、女子児童へのいじめを重大事態と認定しています。

遺族は、市の第三者委員会がまとめた答申に対し「いじめと心中の因果関係が明らかになっていない」などとして再調査を求める一方、仙台市は「調査は尽くされた」として再調査しない方針を示してきました。

遺族らが26日、再調査を求める約1万3000人分の署名を提出したことについて、郡市長は署名の一部を見たとしたうえで再調査を検討することを否定し二度と同じようなことが起こらないようにしっかりと対策をとると述べました。

郡市長「署名してくださった方々の思いは改めて教育委員会の施策を含め、いじめ防止対策を着実に確実に進めることが何より重要だと、それが皆様方にお応えすることだろうと思っています」

仙台市の判断について遺族は「再調査を行わないという市長の判断に大変落胆しております。1万2893人の署名にも応える事のない市長には、いじめに取り組む姿勢が全く見られません。議論が尽くされないままでは再発防止にすらなりません」などと書面でコメントしました。

署名活動を行った団体の代表者は、次のように述べました。
一般社団法人全国自死遺族連絡会田中幸子代表理事「本当に落胆してます。絶望的な感じですよね。議論は尽くされたの一点張りなので、それが市長が市民に対する言葉なのか。どちらを向いてるのかなっていう感じはします。身内を守るとしか思えない対応だったと思います」

遺族側は仙台市の判断について問題があるとして、行政機関の意思決定に専門的な立場から調査する行政不服審査会への申し立てを準備しています。

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