韓国への輸出優遇、7月再指定 政府、4年ぶり正常化

閣議に臨む(左から)林外相、岸田首相、高市経済安保相=27日午前、首相官邸

 政府は27日、輸出手続き上優遇する「グループA(旧ホワイト国)」に韓国を再指定するための政令改正を閣議決定した。7月21日に施行する。3月の日韓首脳会談後、韓国側が先行して日本を優遇対象国に戻し、日本も4月に韓国をグループAに再指定する方針を示していた。これで2019年から続いていた日韓の輸出規制の強化措置は4年ぶりに全て解除され、経済関係は正常化し関係改善に期待が高まる。

 西村康稔経済産業相は27日の閣議後の記者会見で、韓国のグループAへの再指定を巡り「今後も政策対話を継続し、第三国への不適切な輸出などの問題が生じた場合は適切な対応を求めていきたい」と語った。韓国大統領府の李度運報道官は27日の記者会見で日本政府の閣議決定について「(輸出規制を巡る)両国間の信頼が完全に回復し、貿易の不確実性が解消された」と歓迎した。

 グループAに復帰すると、半導体など軍事転用可能な機微な対象品を除き、日本企業は事前許可が原則不要となり、輸出手続きは簡素化される。

© 一般社団法人共同通信社