勝田貴元に続け、TGR WRC育成ドライバー3期生の募集が開始。修行中の2期生同様、講師はヒルボネン

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は6月27日、将来のWRC世界ラリー選手権で活躍できる日本人若手ドライバーの発掘・育成を目的に、TGR WRCチャレンジプログラムの育成ドライバー“3期生”を新たに募集すると発表した。

 TGR WRCチャレンジプログラムは、世界の舞台における日本人ドライバーの地位確立、および次世代の日本人ラリードライバーの発掘、育成を目的としたプログラムだ。2015年にTGRラリーチャレンジプログラムとしてスタートしたこの取り組みでは、現在TGR-WRTのワークスドライバーとしてシリーズにフル参戦している勝田貴元がWRCのトップカテゴリーで活躍中。勝田は2021年の第6戦ケニアで総合2位、昨年もケニアで3位表彰台を獲得し、母国ラリーとなったラリージャパンでもポディウムフィニッシュを飾っている。

 2022年には2期生として大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の3名の育成ドライバーが新たに選出された。3名は現在フィンランドを拠点にラリー4車両でヨーロッパ各地で行われているラリーに出場し、将来のステップアップに向けたトレーニングを続けている。

 今回で3回目となるドライバーセレクションは、6月27日(火)17時より募集が開始された。募集人数は先着150名だ。応募者は9月に静岡県の富士スピードウェイで行われる第1次および第2次審査を受け、2次選考を通過したドライバーは12月のフィンランドでの最終選考に臨む。

 最終選考を勝ち抜いたドライバーは翌2024年1月よりさっそくプログラムに参加し、ミッコ・ヒルボネンを筆頭にTGR-WRTが誇る経験豊富な講師陣の下、ドライビング技術の向上やペースノートの作り方、それだけなくフィジカル面、メンタル面におけるトレーニングを集中的に受けることとなる。その後は現在の2期生と同様にラリー4カーでの実戦トレーニングが予定されている。なお、同プログラムではヨーロッパでの生活に必要な金銭面のサポートも保証されるとのこと。

■勝田貴元「このプログラムは世界的に見てもかなりレア」

 第1期生として成長曲線を描き、現在はWRCのトップカテゴリーで活躍する勝田は、未来ある若手ドライバーたちの「積極的な挑戦」に期待している。

「このチャレンジプログラムが始まったのが2015年。その後少し時間が空いて、昨年2期生のセレクションが始まって、今その2期生の3人がヨーロッパでの修行をバリバリ頑張っているという状況なんですけど、それがさらにまた今年もつながって3期生の募集が始まるということで、僕としてはやはり自分がしっかりと結果を出して、その後輩たちに繋げていきたいという思いがあります」と勝田。

「ラリードライバーじゃなくても、『世界で戦いたい』という若手が夢を見れるような本当に大きなプログラムだと思います。とにかく自分の“挑戦したい気持ち”を強い意志とともにこのセレクションにぶつけてくれれば、間違いなくその結果や想いというのは結果で帰ってくると思います。ですから、子供たちや若手ドライバーにはどんどん積極的に、モータースポーツをやっているやっていないに関係なく、そういった挑戦をしたいと思ってる子供たちにこのプログラムのセレクションをきっかけに、いろいろことに挑戦してほしいです」

「このプログラムは世界的に見てもかなりレアというか、自動車メーカーがやっているプログラムとしてもかなり大きなプログラムになっているので、このアドバンテージを生かして、しっかりとヨーロッパや世界で戦えるドライバーキャリアにつなげてほしいですね」

■「ラリーに必要なすべての要素をカバーする素晴らしいプログラムを準備している」と元WRCドライバーのヒルボネン

 チーフインストラクターを務めるミッコ・ヒルボネンは、TGR WRCチャレンジプログラムについて「世界で自分のスキルを試したいと思っている若者ににとって、素晴らしいチャンス」であると語った。

「プログラム参加者をまた募集することができて嬉しく思っている」

「このセレクションは、ラリーの世界で自分のスキルを試したいと思っている若者にとって素晴らしいチャンスだ。2015年以来、このプログラムはドライバーとともに成長を続けてきた。1期生の勝田貴元は、多大なハードワークと献身の結果、ラリーのトップレベルで戦うようになり、それが可能だということを証明してくれている。また、2022年に加入した2期生の3選手もよい成長を続けている」

「プログラムでは、走行、ペースノート、フィットネス、メンタルトレーニングなど、ラリーに必要なすべての要素をカバーする素晴らしいプログラムを準備している。本気でラリーに挑戦してみたい若手ドライバーたちの応募を楽しみにしているよ」

■2023 TGR WRCチャレンジプログラム選考概要

全体スケジュール 1次選考: 9月18日(月)~ 20日(水)のいずれか1日
2次選考: 9月21日(木)
最終選考: 12月に10日程度を予定

場所 1次および2次選考: 富士スピードウェイ
最終選考:フィンランド

使用車両 後日決定

講師 ミッコ・ヒルボネン(チーフ講師)
ヨウニ・アンプヤ
ユホ・ハンニネン

対象者 2024年3月に中学校を卒業予定の方~1999年生まれの方
※運転免許のない応募者についてはモータースポーツ経験者に限る
※未成年の方は、本テスト参加にあたり親権者の承諾が必要

募集人数 先着150名まで

参加費用 1万円 ※富士スピードウェイへの交通費・宿泊費は別途自己負担
※2次に進まれる方の前泊分のホテルは提供
※最終選考:すべて運営側で負担

選考方法 1次選考: ドライビングテスト
2次選考: ドライビングテスト
最終選考: ドライビングテスト、体力テスト、メンタルテスト

応募期間 6月27日(火)17時~8月27日(日)12時 (日本時間)
※募集人数が150名に達し次第終了

●TGR WRCチャレンジプログラム公式サイト:https://toyotagazooracing.com/jp/challengeprogram_rally/release/2023/062703-01/
●応募フォーム:https://tgr-wrt.com/index.php/application/
●問い合わせメールアドレス:TGR-WRT wrc.challenge.program@tgr-wrt.com(日本語可)

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生の(左から)小暮ひかる、大竹直生、山本雄紀

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