「みんなで戦わなければ」 巨大オブジェでカミキリ被害の深刻さ訴える 足利

クビアカツヤカミキリの巨大オブジェと中島さん

 【足利】桜や桃などの木に寄生して枯死させる特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の飛散期に合わせ、全長2メートルの巨大オブジェが市役所1階ロビーに展示され、来庁者の目を引いている。制作したのは月谷町、民俗研究家中島太郎(なかじまたろう)さん(59)。材料は段ボールなど全て廃材を活用した。展示は29日まで。

 中島さんは経営する旅館「巖華(がんか)園」敷地内の桜が食害を受けたことが契機となり、市の防除ボランティア「クビアカみっけ隊」に加入した。被害の深刻さを知ってもらい、駆除に協力をしてもらおうと、オブジェ制作を思いついた。

 材料はキッチンペーパーの芯や駆除薬剤の使用済み容器、針金ハンガーなどを活用した。気泡緩衝材を使った複眼は本物そっくり。特徴の赤い首部分はマフラーのようで、特撮ヒーロー「仮面ライダー」とも重なる。構想に半年をかけた力作だ。

 出来栄えについて「木を枯らす怪人のイメージを追求したら、仮面ライダーに似てしまった」と振り返る中島さん。「クビアカは怪人であり、エイリアン。このままでは花見文化が消滅してしまうので、市民みんなで戦わなければ勝てない」と訴える。

 展示後は「クビアカ怪人」のかぶり物として作り直し、イベントなどで利用する予定だ。クビアカは体長2~4センチで、6~8月に成虫が羽化する。

クビアカツヤカミキリの巨大オブジェと中島さん

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