大分市の街なかで、たき火を楽しもう キャンプ愛好家らがイベント【大分県】

たき火を囲んで会話を楽しむ参加者=大分市府内町のお部屋ラボ祝祭の広場

 【大分】街なかでたき火を楽しむイベント「タキビガタリ」が今月、大分市府内町のお部屋ラボ祝祭の広場でスタートした。大分をもっと楽しい場所に、と県内のキャンプ好きが集うオンラインコミュニティー「MUSICA(ムジカ)」が月2回程度催す。「ゆったりと流れる時間や非日常感を手軽に味わってほしい」と参加を呼びかけている。次回は28日午後5時から。無料。雨天中止。

 メンバーの国宗宏敬さん(34)はソロキャンプ歴20年。近年のキャンプブームで、たき火の魅力が見直されているという。

 県外でイベント制作に携わり、昨年帰郷。都会に比べ、大分は平日夜の過ごし方の選択肢が少ないと感じていた。「仕事終わりにふらりとたき火を囲んで疲れを癒やしたり、知らない人同士がつながって新たなアイデアやコミュニケーションが生まれる場所をつくろう」と仲間と企画。市に申請し、広場の利用規約に基づき実施する。大分中央消防署に届け出もしている。

 初回の14日は周辺で働く人や住民、偶然通りかかった人ら約30人が参加。メンバーが持ち寄ったカシやクヌギのまきをキャンプ用のたき火台で燃やした。JR大分駅前の夜景をバックに揺れる炎を眺めたり、まきがパチパチとはじける音に耳を傾けたりしながら会話を楽しんだ。

 地元の中央通り会の安部一会長(34)は、子どもとマシュマロやウインナーを焼いてアウトドア気分を味わった。「街の新しい楽しみ方がさらに増えるといい。会としてもサポートしたい」と期待する。

 たき火はインターネット上の仮想空間「メタバース」で配信し、広場と全国の参加者が交流した。大分大理工学部4年の小米良聡志さん(22)は「リアルとバーチャルをつなげる動きや、街のど真ん中でたき火をする面白さに引かれて参加した。この風景が大分の当たり前になるといい」と話した。

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