茨城県内企業「学び直し」議論 技術発展見据え課題共有

グループに分かれてチャットGPTが自社に与える影響について議論する参加者ら=水戸市笠原町

リスキリング(学び直し)への理解を深めて経営に生かしてもらおうと、茨城県は27日、水戸市笠原町の開発公社ビルで、県内に事業所がある企業を対象にしたリスキリングワークショップを開いた。経営者や企業の人事担当者ら約30人が参加し、業務の自動化といった技術がより発展していく社会を見据え、議論を交わした。

ワークショップは、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブの後藤宗明代表理事が講師を務めた。対話型人工知能(AI)チャットGPTの登場を踏まえ「日本でも多くの仕事がAIやロボットに代替される可能性が高い」と説明。リスキリングについて、「組織(会社等)が実施責任を持つ業務として捉えてほしい」とし、「単に学び直しにとどまらず、スキルを身に付け新しい業務や職業に就くことを指す」と強調した。

また参加者は4、5人に分かれ、グループでチャットGPTが自社に与える影響などについて、それぞれ議論。技術発展に伴う経営課題を共有し、どのようなリスキリングが必要となるか意見を交わした。参加者の1人は「業務の効率化が図れる半面、人と向き合う力が低下する」と話した。

県産業人材育成課の鈴木貴裕課長は「成長分野に踏み出す一つのきっかけにしてほしい」と語った。

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