スプリンクラー作動問題 静岡・裾野市「和解金支払いに向け協議する」方針示す

静岡・裾野市のホールで突然、スプリンクラーが作動し楽団員がけがをしたり楽器などが被害を受けた問題で、裾野市は会見を開き「和解金の支払いに向けて協議をする」方針を示しました。

この問題は、2022年9月、裾野市民文化センターで、突然、スプリンクラーが作動し、焼津市の楽団「シンフォニエッタ静岡」の演奏者が転倒するなどして5人がけがをし、楽器などが水に濡れる被害を受けたものです。これまで楽団側は独自の調査を行い、「配管内に漏水が発生し、誤作動で放水に至った」とし、設備の経年劣化などが考えられるとの見解を示していました。

こうした中、市が設置した事故調査委員会は6月27日の会見で「原因が特定できなかった」とする最終報告を発表しました。その理由について「バルブに傷が確認され、配管内で漏水があったものの、誤作動に至るほどの漏水量があったとは特定できなかったため」としています。これを受け、市は会見で、今後、和解に向け楽団側との協議を進める考えを示しました。

(裾野市 村田市長)

「専門家の入念な調査の結果により原因の特定が困難であると明らかになった、市の瑕疵が断定されたわけではないが、その可能性が排除しきれないという認識のもと、和解金の支払いに向けた協議を行っていきたいと考えている」

市はこれまで「設置や管理に瑕疵が認められなければ公金で補償することはできない」との考えを示していて、最終報告でも事故の原因は明らかにならなかったものの「和解金」を支払うことで解決を図りたい考えです。これに対し楽団側は「裾野市が自ら交渉の場につくというのであれば、その態度を見極めて応じていきたい」とコメントしています。

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