被爆した留学生 原爆死没者名簿へ 広島大学が初めて申請

広島大学は、広島で被爆し、その後、亡くなった留学生について、原爆死没者名簿に記載するよう広島市に初めて申請しました。

広島大学 越智光夫 学長
「異郷で被爆された留学生の方々のご冥福をお祈りするとともに、広島大学はこれからも平和を希求する精神を持ち続けてまいります」

広島大学は、被爆した留学生20人のうち死亡が確認できた17人について、6月1日、広島市に原爆死没者名簿への記載を申請しました。

申請されたのは、広島大学の前身・広島文理科大学と広島高等師範学校に在籍した中国大陸からの留学生9人と東南アジアからの留学生8人です。

東南アジアからは「南方特別留学生」として、日本政府が占領下にある地区の指導者に育てるため受け入れていました。このうち、広島文理科大学に在籍していた8人が被爆しました。

マレーシアのニック・ユソフさんは、爆心地から900メートルの寮で被爆し、避難した佐伯区内で亡くなったといわれています。

同じ寮にいたマレーシアのサイド・オマールさんは、終戦後、東京へ戻る途中、京都で亡くなりました。

広島市はすでに申請を受理していて、名前が記載された名簿がことしの8月6日、原爆慰霊碑に納められるということです。

広島大学の 越智光夫 学長は、「消息のわからない3人の留学生については今後も調査を続けていく」としています。

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