大原美術館 三浦新館長が意気込み 7月1日付就任 現職高階氏と会見

記者会見で大原美術館の活性化に向けた意気込みを示す三浦氏(左)と高階氏

 大原美術館(倉敷市中央)の新館長に7月1日付で就任する三浦篤・東京大名誉教授(66)=東京都在住=と、2002年から館長を務める高階秀爾氏(91)=同=の記者会見が28日、倉敷市内で開かれた。三浦氏は「『発信と交流』をキーワードに、全国から注目される美術館にする」と抱負を語った。

 三浦氏は、東京大在学中に当時教授だった高階氏の講義を受けて西洋美術史を専攻。フランスの画家マネの研究や日仏美術交流史の権威として知られ、15年から大原美術館理事。会見では同館について「近現代の西洋、日本の絵画や現代アート、工芸品まで充実した日本屈指の総合美術館。そのコレクションを軸に全国の美術館と連携した特別展を企画し、国内外の研究者を招いて作品研究にも取り組むなど、大原美術館を世界に発信したい」と力を込めた。

 当面の課題は「新型コロナウイルス禍で延期されていた事業の再開」とし、若手作家を起用した展覧会「ARKO(アルコ)」や「AM倉敷」などを7月から順次開催することを明らかにした。

 高階氏は館長としての20年余りを振り返り「優れた若手作家を育てられたこと、倉敷の街の魅力を国内外の人に伝えられたことが思い出深い」とし、三浦氏について「美術史に精通し、展覧会の企画や監修の経験も豊富。後を託すのにこれ以上ない人材だ」と評した。今後は、来年4月に新設予定の大原芸術研究所の所長に就任する。

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