名和さん彫刻作品公開 パリ近郊、セーヌ中州

公開された名和晃平さんの作品=28日、パリ近郊セガン島(共同)

 【パリ共同】フランス・パリ近郊のセーヌ川の中州、セガン島の先端に位置するモニュメントとして、現代美術家、名和晃平さんの高さ25メートルの大型彫刻作品が完成し、公開式典が28日開かれた。

 作品の素材はステンレスで「エーテル(平等)」と題された。しずくが落下する様子を視覚化し、万物に作用する重力の法則を通じて平等を表現した。

 名和さんは式典で「セーヌの土地を包む空気との調和を目指しながら模索を続けてきた。柔らかなシルバーピンクに輝く色彩は移り変わる空の色や植物の緑、川面に映る夕日の色に美しくなじむことを意図した」と説明した。

 パリに隣接するオードセーヌ県が、セガン島の再開発計画の一環として国際コンペを実施。地元議員や芸術関係者で構成する審査委員会が選んだ。名和さんは大阪府生まれで、京都を拠点に活動している。

 作品は世界的な建築家、坂茂さんとフランスのジャン・ドガティンヌさんが設計した音楽複合施設「ラ・セーヌ・ミュジカル」の隣に設置され、日本人が手がけた作品が並ぶことになった。

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