藤沢・江の島で歴史観光が人気 大河「徳川家康」ゆかりの地巡るツアーも 家康の食事を旅館「岩本楼」が再現

27日に江の島で開催された家康ゆかりの地を巡るツアー

 地域の歴史を知り、体験してもらうヒストリカル・ツーリズム(歴史観光)が、藤沢市江の島で人気を集めている。天女(弁財天)がつくった「信仰の島」と伝えられる江の島は歴史的なエピソードの宝庫。市観光協会(湯浅裕一会長)は、固有の歴史に改めて光を当て、唯一無二の観光コンテンツを提供している。

 同協会は27日、今年のNHK大河ドラマの主人公徳川家康ゆかりの地を巡るツアーを江の島で開催。昼食には家康が食したであろう食事を再現した「家康御膳」がお目見えした。

 江戸時代の紀行文など歴史資料を参考に、鎌倉時代から時の将軍や勅使、大名の宿坊として栄えた江の島の旅館「岩本楼」が「さしみ 鯛(たい)うど短冊」「鯛そぎ切 しらが大根ぬたあえ」「麦飯」といった品々を再現し提供した。

 家康は1600(慶長5)年、江の島を参詣。以来、代々将軍の祈禱(きとう)所となるなど、江の島との関わりは深い。御膳はツアーの目玉企画として、食を通じて歴史を体験してもらおうと、湯浅会長がアイデアを出し実現した。

 本格的な歴史観光イベントの先駆けとなったのは、2021年11月、新型コロナウイルスの収束を願い開催された江の島流鏑馬(やぶさめ)・武者行列。会場では観客への検温・アルコール消毒をはじめ、「3密」を回避する動線など感染対策を徹底。ウィズコロナの様式で回数を重ね、藤沢を代表する恒例行事になった。

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