株主総会集中日、600社開催 開発撤退、事件に厳しい目

三菱重工業の株主総会会場前に掲げられた案内板=29日午前、東京都千代田区

 3月期決算企業の定時株主総会が29日、集中日を迎えた。東京証券取引所によると、全体の26%に当たる約600社が開催。国産初のジェット旅客機開発からの撤退を表明した三菱重工業や、東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件を起こした博報堂DYホールディングス(HD)に厳しい目が注がれた。株主側は企業の経営改善に向けた要求を強めている。

 三菱UFJ信託銀行によると、6月開催の株主総会で株主提案が出されたのは90社と過去最多で、このうち43社は「物言う株主」など機関投資家によるものだった。取締役の刷新など企業統治の強化を迫ったり、自社株買いなど利益還元の拡充を求めたりするケースが目立つ。

 三菱重工が官民一体で開発に挑んだスペースジェット(旧MRJ)は納入を6回延期した末、2月に頓挫した。技術の信頼性が揺らいでおり、改善の道筋をどう示すかが焦点だ。

 五輪談合事件で子会社などが独禁法違反の罪で起訴された博報堂DYHDは、水島正幸社長の再任を求める議案などが可決された。

大企業の本社が集積する東京・丸の内のオフィス街

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