NY円、一時144円62銭 7カ月半ぶり円安水準

米国の1ドル札(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】28日の欧米外国為替市場の円相場は対ドルで下落し、一時1ドル=144円62銭と昨年11月以来、約7カ月半ぶりの円安ドル高水準を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀の政策の違いによって日米金利差が拡大するとの見方から、円売りドル買いが進んだ。

 ニューヨーク市場の午後5時現在は、前日比40銭円安ドル高の1ドル=144円43~53銭を付けた。ユーロは1ユーロ=1.0907~17ドル、157円63~73銭。

 ポルトガルで28日に開かれたシンポジウムで、FRBのパウエル議長が追加利上げに積極的な姿勢を示した。これに対し、日銀の植田和男総裁は基調的な物価上昇率が目標の2%を「依然としてやや下回っていると考えている」と大規模な金融緩和の妥当性を訴えたため、日米の方向性の違いが改めて意識された。

 円売りドル買いが一巡後は日本政府、日銀による為替介入への警戒感から円が買い戻される場面もあった。

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