28日の富山県内は、昼頃から夕方にかけ県東部を中心に強い雨が降った。上市町で午後4時までの1時間に101ミリの猛烈な雨を観測し、気象庁は記録的短時間大雨情報を今年初めて発表。上市、立山の両町と富山市の一部地域の計19地区の793世帯1932人に避難指示が出された。県防災危機管理課によると、午後11時時点で人的被害は確認されていない。立山町日中と同町下白岩で床下浸水が1件ずつあった。
28日午後9時時点で、立山町を中心に降雨による路肩の崩壊や雨量規制などで県道7カ所が通行止めになっている。富山市岡田（大山）の県道富山上滝立山線は山からの土砂流出で一時、通行が規制された。県道富山立山公園線も通行止めとなり、一時は立山町芦峅寺などと富山市街地との移動ができない状態となった。このほか、立山町などで2カ所が一時的に通行止めになった。
立山では同日午後3時41分までに1時間降水量が51.0ミリに達し、2014年以来9年ぶりに6月の観測史上最大を更新。富山地方気象台は一時、富山市、上市町、立山町、魚津市の4市町に大雨警報を出した。
立山町の白岩川ダムは、貯水量が満水に近づいたとして、午後4時20分に緊急放流を開始。水位は4.94メートルとなり氾濫危険水位を超えた。
富山地方鉄道立山線の横江－千垣駅間の線路に土砂が流入し、同日午後3時35分ごろから岩峅寺－立山駅間の運転を見合わせ、午後5時25分に終日運休となった。29日以降の運転再開のめどは立っておらず、横江駅を除く運休区間はバスで代替輸送する。このほか、29日は朝の2本を運休する。
立山駅では、立山黒部アルペンルートを訪れていた観光客ら約30人が一時足止めされた。午後5時55分から代替輸送のタクシーで岩峅寺まで移動した。
上市町と富山市に出された避難指示と、立山町の高齢者等避難は28日午後10時までに解除された。
気象庁は28日、記録的短時間大雨情報を、山形県東根市付近にも発表した。
避難指示などが出された地区と対象世帯・人数
◇立山町▽避難指示＝四谷尾、谷口、虫谷、白岩、六郎谷、目桑、谷、伊勢屋、小又、松倉、座主坊（計190世帯451人）日中（100世帯290人）▽高齢者等避難＝千垣（68世帯138人）若宮、寺田、泉（計338世帯908人）
◇上市町▽避難指示＝舘（73世帯155人）女川（36世帯112人）新屋（72世帯216人）和合（84世帯150人）神田（103世帯214人）横越（115世帯297人）
◇富山市▽避難指示＝岡田（20世帯47人）
