大雨の初動「不十分だった」 茨城・取手市、避難指示に課題

定例会見で大雨被害を受けた取手市双葉地区の対応などについて「不十分だった」と語る中村修市長=同市役所

台風2号と梅雨前線の影響による大雨で600棟近くが浸水被害を受けた茨城県取手市の中村修市長は28日、避難指示などの市の初動対応が「不十分だった」との認識を示した。同日の定例会見で述べた。

取手市では人的被害はなかったものの、双葉地区を中心に325件の床上浸水、242件の床下浸水があり、57世帯計90人が消防に救出された。

住民への避難の呼びかけや避難者の避難所への移送について、市側は「消防との連携が密だったとはいえず、十分な対応とは言い切れない」として不手際を認めた。消防は出水当時、独自に避難呼びかけや逃げ遅れた人を移送した。

双葉地区への避難指示については、河川と土砂災害に関する基準があるものの、内水氾濫が予測できないことなどから避難計画はなかった。市は今後、「土砂災害警戒情報の発出時点で総合的に判断し、避難指示を出すようにする」としている。

中村市長は「避難指示を出すタイミングは内水氾濫にかかわらず課題の一つ。これから検証し、今後に生かしていく」と話した。

© 株式会社茨城新聞社