茨城県教委 生成AI、7月に指針 「夏休み前に」

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県教委は28日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」など生成AIの活用法を巡る小中高向けの指針について、7月に始まる夏休みの前に示す方針を明らかにした。文部科学省はガイドラインを7月上旬にも公表するとしており、県教委はこれを踏まえて学校現場に伝える考え。

森作宜民教育長は定例記者会見で「インターネット上の情報は、適切な取捨選択が必要と指導してきた」とした上で、「県内での先進的な事例を参考にしながら、生成AIのメリットとデメリットを十分に理解した上で有効に使いたい」と話した。

これまでに分かっている同省の指針の原案では「使いこなす力を意識的に育てる姿勢が重要」と強調する一方、批判的思考力や創造性への影響といった懸念に言及し、「限定的な利用から始めることが適切」と指摘している。

原案では、グループ学習で論点を補うなど有効な活用法を示し、児童生徒が定期テストに使うのは不適切といった注意点を挙げている。個人情報を入力すると利用されて情報が漏えいする可能性があることや、著作権侵害の恐れがあることなどの周知に重点を置き、要点を学校用チェックリストにまとめるなどとしている。

同省は、夏休みの読書感想文やコンクールの作品応募の際、生成AIを使い、自分が作成したと装って提出するのは不正行為だと指摘する必要性も盛り込む方針。

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