【吉沢亮×山田裕貴】「2人でちょっと泣きそうになって…」映画『東京リベンジャーズ2-血のハロウィン編』インタビュー

左から)山田裕貴、吉沢亮 撮影/鬼澤礼門

漫画、アニメ、そして豪華キャストによる映画と、ヒットにヒットを重ねる『東京リベンジャーズ』。現在、映画『東京リベンジャーズ2─血のハロウィン編』の前編となる『運命』が絶賛公開中だが、後編となる『決戦』も6月30日から公開がスタートする。

今回は東卍のカリスマ総長・マイキー役の吉沢亮と、その右腕でありNo.2のドラケン役の山田裕貴に、作品への思いや現場の空気感、仲がいいことでも知られている2人の関係性などを語ってもらった。

(インタビュー写真)【吉沢亮×山田裕貴】『東京リベンジャーズ2-血のハロウィン編』

カッコ良さ全開のマイキー、夢中で演じたドラケン

吉沢亮 撮影/鬼澤礼門

──『東京リベンジャーズ2─血のハロウィン編』は前後編での公開です。後編『決戦』も試写で拝見し、大泣きしました。

吉沢亮(以下吉沢) 『血のハロウィン編』は原作の中でも一番泣けると言われているエピソードなので、すごくエモーショナルなシーンの連続ですよね。後編の『決戦』は特にそうだと思います。登場人物それぞれの愛情の矛先、熱い思いが交錯して、すごいいい作品になってる気がします。

──男同士の友情や関係性に胸が熱くなりました。

吉沢 ありがとうございます!

──この『決戦』のマイキーを演じられて、感じたことはありますか?

吉沢 カッコいい男だなと、改めて思いました。すごく自由だし、その自由な面にみんなが憧れてついて来るとは知っていたけど、責任感もあって、背負うものをちゃんと背負っている感じもすごい。

──今回、マイキーに人間味を感じました。

吉沢 そう感じていただいてありがとうございます。

山田裕貴 撮影/鬼澤礼門

──山田さんはドラケンを演じながら、どういったことを考えていましたか?

山田裕貴(以下山田) 漫画と漫画原作の映画とを比べると、映画にはこのシーンがない、あの描写がないってなってしまう方も多いんじゃないでしょうか。『決戦』はアクションシーンが多めで仕上がっているから、余計にそう。でもこれはあくまで映画で、『血のハロウィン編』は前後編でやるにしても、とても構成が難しかったと思うんです。

──確かに漫画と映画とでは、そもそも入れられる情報量も制約も違います。

山田 でも『決戦』にはキャラクターの面白みがふんだんに散りばめられているし、飽きさせない内容になっています。たくみっちと亮は特に現場の回し方も含めて色々考えて動いていて、それを見ながら僕はただ「ドラケンで与えられた役割を一所懸命にやろう」って思っていました。

©和久井健/講談社 ©2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

──タケミチ役の北村匠海さんは主役ですし、吉沢さんはある意味もう1人の主役と言っていいマイキーを演じています。お2人で、キャストたちの中心とならざるを得なかったんですね……。そんな吉沢さんは、現実でもマイキーのようにトップに立ちたいタイプですか? ドラケンのようにサポートに回りたいタイプですか?

吉沢 組織の中で、ってことですよね? あまり責任感を持ちたくないんで、端から見ているぐらいの、雑な仕事をやっているぐらいの感じでいたいです(笑)。

──ただ主演や今回のような役柄のときは、そうも言ってられない?

吉沢 そうですね。主演の機会も、最近はありがたいことに増えてきたのですが、毎回難しいなと思います。

──主演の難しさってどういうところですか?

吉沢 主演はある意味もう、裏方みたいな面もあるんです。自分の芝居のことばかりではなく、現場のことを気にしなきゃいけない。

──先ほど、山田さんがおっしゃったことですね。

吉沢 コミュニケーションを取ったりとか、現場の空気を良くするみたいなことも必要になってきますね。

同世代の才能がぶつかり合い、スパークした現場

吉沢亮 撮影/鬼澤礼門

──『東京リベンジャーズ』は、同世代の俳優が多数出演している作品ですが、現場でのチームワークはどのように築き上げたのでしょうか?

吉沢 みんな役者さんとして一流の人たちばかりなので、意識してチームワークを作り上げたというよりも、それぞれが自分のやるべきことを普通にやっていたら、自然と成り立ったという感じでした。

山田 与えられたものをそれぞれ理解してやるっていう、自分の持ち場を100%こなすっていう意識が、すごくあったのかなって。

──特に誰かが頑張って引っ張るという感じではなかった?

吉沢 そうは言っても匠海は主演として現場をまとめてくれたので、匠海の頑張りは相当大きかったと思います。

山田裕貴 撮影/鬼澤礼門

──他の役者さんの頑張りを見て、すごく刺激を受けた、火がついたなどの瞬間はありましたか?

山田 どこの現場に行ってもそういう瞬間はありますが、今回はたくみっちと亮の最後の決戦シーンの、リハーサル前の段取りを見ている時点で「ここで、こういう人たちとやれてよかった!」と感じました。

──すごい人たちが集まった現場で……。

山田 “すごい人”って言っちゃうと簡単に聞こえるけど、この東リベのメンツは全員、急にポンッて出てきたワケではなくて。いろんな作品でいろんな役を積み重ねて、貴重な経験を得て、“すごい”の評価を受けられる人になったというか。もちろん「さあ、これからだ」って思っている人もいるだろうけど。

──ここまでのキャリアにたどり着くまでの道を、それぞれが努力して歩いてきているということですね。

山田 そのそれぞれの積み重ねたものを、無駄なく余すことなく全部出そうとした結果が、この東リベに集まっているのを感じます。現場では「僕ら世代がこれからもどんどん、色んな作品をやっていこうな!」という、みんなの熱気みたいなものを感じました。

©和久井健/講談社 ©2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

──ご自身のキャリアにとって、この作品は節目になったと思いますか?

山田 特別に節目とは言いたくないんです。それは悲しいというか、すべての作品がそういう節目を感じる瞬間であって欲しいので。東リベという大きな作品だから頑張りました、ということでもないですし。

──確かに、作品の大小は関係ないですね。

山田 ただ僕で言えば、ドラケンドラケンって言ってもらえるようになって、いろんなお声がかかるようになったのは事実です。それはものすごくありがたいです。「人の目につくところに来れた」という思いは大きいです。

──吉沢さんにとって、東リベはどんな意味を持っているのでしょうか?

吉沢 ここで出会った役者の皆さんには、今後もどこかしらで会うというのは、絶対だと思うんです。

──同世代の、綺羅星のごとく輝く皆さんばかりですから。

吉沢 出会いとして、恵まれた現場でした。

一緒にいて楽な僕ら。実は似たもの同士です!

左から)山田裕貴、吉沢亮 撮影/鬼澤礼門

──吉沢さんと山田さんは、いろんなインタビューを見ていると、尊敬しあっていて、とても仲良しに感じます。改めて、お互いの一番好きなところってどこですか? いいなーと思うところを教えてください。

吉沢 一番好きなところ!? いいなって思うところ!? なんでしょうね……ある?

山田 あるでしょ。ないの!?

吉沢 いや、あるよ(笑)。

山田 僕から言います。吉沢亮は熱そうに見えないのに、めちゃくちゃお芝居に対しては熱くて、人一倍考えている人です。本当にいいワードが見つかったなと思うんですけど、“バケモノ”っていうか。

──人外のもの!?

山田 『血のハロウィン編』の『運命』公開時のインタビューでも言ったんですが、お芝居のバケモノというか……。誰よりもこう、目を凝らして、自分を見る目も周りを見る目も厳しいんです。だから「この人の前では手を抜けない」ってたくみっちが言っていたけど、本当にそう。本気でぶつからないと「なんだ、そんなものなの?」って思われそう。

吉沢 (笑)。

吉沢亮 撮影/鬼澤礼門

──ある意味男同士の喧嘩というか。

山田 そうそう、その厳しさはあるかなって。それが良さなんです。

──ご本人だけじゃなく、周りの演技力も引き上げるような

山田 そうそう!

──プレッシャーをすごく与えてくるワケではなく?

山田 そういうことじゃないんです。逆に吉沢亮を動かしたいって思わせる力があるんですよ、お芝居で。

──吉沢さんはいかがですか、山田さんのこと。

吉沢 素敵ですよ~。

一同 (笑)。

吉沢 お芝居っていうところで言うと、僕と山田裕貴は歩みが似ているなって思っています。なので感じていることや、現場での居住まいとか、似てるんじゃないかなって。一緒にいると安心感というか、居やすいです。

──確かにおふたり、空気感が似ています。

吉沢 そうそう。

山田裕貴 撮影/鬼澤礼門

──山田さんも似ていると感じますか?

山田 なんか……頑張らなくていいやって感じます。

──お芝居では頑張るけど、プライベートでは頑張らなくていいご関係。

山田 そうそう。

©和久井健/講談社 ©2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

──最近、相手に対して面白いなあとか、びっくりしたなっていうエピソードはありますか?

山田 最近じゃないんですけど、1回飲みに行った日があったんですが、店員さんがSUPER BEAVERさんの『ひとりで生きていたならば』を歌ってくれて。それを聞きながら、2人でちょっと泣きそうになっていたのは面白かった。

吉沢 あれは面白かったね。確かに。あとは、15,6歳くらいの男の子で、役者目指しているっていう子と会ったんだけど。

山田 役者は華やかな世界だけを歩いているんじゃないよ、自分を律して真面目にならなきゃいけないんだよっていうお話をして。

吉沢 2人で一緒に話したんですが、それが本当にしっくりきて。

山田 結局、僕らはキャリアの歩き方が一緒だよなって、さっき亮が言った“歩みが一緒”だよなって思いました。

──マイキーとドラケンがそんなに息ピッタリなんて、ファンとしては嬉しいというか、納得というか。貴重なお話をありがとうございました!

取材:藤坂美樹 構成:中尾巴

作品情報

映画『東京リベンジャーズ2-血のハロウィン編 運命』公開中

映画『東京リベンジャーズ2-血のハロウィン編 決戦』6月30日(金)公開

(Medery./ 藤坂 美樹)

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