知床遊覧船沈没 ハッチ不具合修理せず出航、浸水したか 運輸安全委が報告書案を公表 来月意見聴取会

去年4月、知床沖で小型観光船カズワンが沈没した事故で、国の運輸安全委員会はきょう、調査報告書案を公表しました。報告書案は運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長ら関係者への聞き取り結果や当日の気象状況、船体の損傷などをまとめたものです。浸水の原因とされているハッチの不具合については、事故2日前の救命訓練に参加した同業他社の社員の証言などから、「ハッチのふたがおよそ3センチ浮いている状態で、修理した様子はなかった」としています。一方、桂田社長は「船長から報告を受けておらず、不具合はないと認識していた」と話しているということです。また、桂田社長の実務経験については、事故後の調査で運航管理者の基準を満たしていないことを確認したということです。運航について桂田社長は「船長の判断に任せておけばよいと思った」と述べたということです。運輸安全委員会はこの案をもとに来月外部の有識者などを対象にした意見聴取会を開き、最終報告書をまとめる計画です。

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