【バレーボール】早慶戦直前!特別企画 男子ルーキー対談 佐藤遥斗×山口快人

7月1日のバレーボール早慶定期戦に合わせ、ケイスポ・早スポ合同で第4回にわたりお届けする早慶対談。第2回は、入学早々スターティングメンバーに名を連ねた佐藤遥斗(スポ1・駿台学園)と山口快人(経1・慶應)の2人。お互いのことや春季関東大学リーグ戦の振り返り、初めての早慶戦に向けて意気込みなどを伺った。

※この取材は6月18日にオンラインで行われたものです。

――まずは自己紹介をお願いします

佐藤 東京都私立駿台学園高等学校(駿台)出身、佐藤遥斗です。現在はスポーツ科学部に通っています。最近のオフは家で寝てました(笑)。

山口 慶應義塾高校(塾高)出身、経済学部1年の山口快人です。オフの時に同期と一緒にお台場になど都内をドライブしました。

――初対面はいつですか

佐藤 高校の時に駿台と塾高で練習試合をしていたので、一応そこで面識がありました。

山口 でも、自分はJOCのときから知っていました。(佐藤選手は)新潟で、僕は岐阜で、遠征の時に1試合サブアリーナみたいなところでやったのですが、ボコボコにされた記憶があります。

――お互いの第一印象

佐藤 練習試合をやっているときに、駿台のときのライトが上から打たれたりしていたので、そんなに身長が大きい方ではないのにめっちゃ跳ぶなあと思っていました。

山口 僕は中学生のときから知っていたので、日本代表にも選ばれていて駿台学園で1年生から春高の舞台で戦っている姿を、世代ナンバーワンという感じで見ていました。

――進路選択をしたわけをそれぞれ教えてください

山口 自分は高校入学の時点で慶大に進むことが決まっていたので、高校に入るときの志望動機になります。塾高に入ることを決意したのはJOCが終わったときくらいで、お父さんが高校の先生でバレーを教えているのですが、塾高を受けてみないかと言われて。調べてみたら、大学まで行けるとわかったので、勉強とバレーを両立できる場所だなと。大学受験を控えるわけではないので、高校からバレーに集中できるというところが塾高にある環境だと思って入りました。大学に入るときは、塾高と慶大の練習試合がよくあったので、大学の選手がかっこいいなと思って入部を決意しました。

佐藤 自分はもともと関東の大学の強いチームでバレーがしたいと思って駿台に入って。ずっとどこに行くか迷っていたときに早大さんから声がかかりました。自分が1年生のときの4年生に水町キャプテン(泰杜、スポ4・鎮西)や山田大貴さん(スポ4・清水桜が丘)がいると思って、世代を代表する4年生の選手たちとプレーしたいと考えて入学を決意しました。

――実際大学に入ってみて、勉強との両立など思っていたことと比べていかがでしたか

佐藤 自分は週に何回か1限の日があって、練習が終わるのも遅いので基本ずっと寝不足です。寝ている方で5時間くらいです。

山口 塾高時代の先輩方が多くいるので、横も縦もつながりが強く、そこまで大学生として苦労していないかなというイメージです。(佐藤選手と)同様に、夜遅くまで練習があった後の1限がきついですね。

――大学あるある、学部あるある、キャンパスあるあるなど

佐藤 最寄りから所沢キャンパスまでが結構遠くて、バスが出ているのですが20分くらいかかります。1限と2限の間の時間帯だと人がめっちゃ多くて、少し早めにいかないといけないです。自分は1回、駅に到着しているのにバスを2本見逃して3本目くらいに乗ることがありました。あと、森ばかりなので虫が多いです。

――動物は出ないですか

山口 動物はまだ見たことがないです。カナヘビくらいです。

――日吉にも蝮谷(まむしだに)がありますよね。では、慶大あるあるもお願いします。

山口 自分は日吉キャンパスにいて、駅からすごく近いです。人がものすごく多いので、食堂はスムーズに食べられないですね。日吉の裏を「ひようら」と呼んでいるのですが、そこに飲食店がたくさんあるので、昼はそこを利用する人が多いかなという印象です。

――おすすめのお店は

山口 「とらの息子」というお店があるのですが、定食屋さんでご飯のおかわりが自由なので、練習後とかによく通っています。

佐藤 上井草になりますが、今は多分閉まっているんですよね。熙宴(きえん)っていう中華料理屋さんで、ここもおかわり自由です。

――春季リーグを振り返って

佐藤 スタートで起用してもらえることも何回かあったのですが、慣れない生活でコンディションも整えきれなくて、なかなかベストで臨めているという状況が少なかったです。でもたくさん試合に出させてもらって、良い経験になったと思います。また、全勝優勝で春リーグを終われそうだったのですが、最後中大にフルセットで負けてしまって悔しかった気持ちが大きいです。

――当日は伺えなかったので、その最終戦を詳しく振り返っていただけますか

佐藤 自分はスタートではなくて途中出場だったのですが、相手が中大さんということもあってコートの外から見ていても緊張感が違いました。途中から入って上手く自分のプレーができないかもしれないという不安があったのですが、中に入ったときに思ったよりもできているなと感じた一方、まだまだ自分の力不足が多く目立っているなと思いました。

――第5セットの本当に崖っぷちの場面でサーブが回ってきましたがいかがでしたか

佐藤 何も考えずに打ちました。いろいろ考えたら逆に違うコースに打っちゃうとかエラーにつながるので、自分を信じてやるしかないなと思って、普通に打ちました。

――慶大についても同様に振り返りをお願いします

山口 自分は第1戦から最終戦までレギュラーとして起用していたただいたのですが、自分と同じ代で出ている選手は本当に力があってすごい選手たちばかりで。佐藤選手もそうだし、麻野堅斗選手(スポ1=京都・東山)や舛本選手(中大)、平田選手(日体大)もそうだし、負けないように頑張ろうという気持ちで戦っていました。自分のチームの中での役割としては、サーブレシーブを返すことだと言われていて、前半はできていたのですが、後半になるにつれて乱れ始めちゃったかなというところが自分の弱みかなと思います。また、慶大は松本選手と渡辺選手という2枚エースがいて、自分は攻撃でなにも活躍できていなかったので、後半戦も2人がマークされるようになったら厳しい試合が続きました。高校までは通じた自分の攻撃が大学になって決まらなくなってしまっているので、秋に向けて自分のスパイクが1本でも多く決まるように練習していきたいです。

第1戦から最終戦までスタメン出場した山口

――高校まではそもそもリーグ戦という形式で試合しないですよね。毎週土日に試合という状況が約2カ月続くという点はいかがでしたか

山口 高校まではトーナメント形式だったので負けたら終わりという世界で、負けた試合に対して思うことはたくさんあったのですが、大学は次の試合があるので。いい意味で、すぐにチームも自分も次の試合へと気持ちを切り替えることができました。自分の中ではプラスになったかなと思います。

佐藤 まずリーグ戦をやることになって何週間も試合が続く中で、途中で黒鷲旗も挟んだので、自分の体のケアを怠ったら絶対にどこかをケガすると思っていて。それだけは毎日大事にして欠かさずやるようにしていました。本当に高校でこういった形はなかったので、毎週毎週試合というのはしんどかったです。

――1年生から見たチームの特徴は

山口 さっきも言ったかもしれないですが、チームの特徴は2大エースが最後打ち切るというスタイルなので、周りの選手がどう働くかによって、チームとその2人への負担が変わるかなと思います。あとはチームの状況としては、本当にベンチも中も、本当にずっとプラスな声で雰囲気よく試合ができているかなと思います。

チームの二大エース・松本と渡邊(左)

佐藤 今年のプレースタイルとしては、4年生に水町キャプテンと山田さんがいるので、最終的にはその2人が打ち切るという今の形なんですけど、チームとしては今年のチームのテーマ的な感じで「家族」というのがあるので、下級生は上級生のために頑張って、上級生はその下級生が頑張ってくれた分をプレーで見せるみたいな。お互いの横の繋がり以上に縦の繋がりを大事にしているので、試合に出ている選手だけじゃなくて、ベンチにいる選手とかベンチに入れなくて応援してる選手とかも全員で戦うというのが特徴です。学年関係なくチーム全体として1つの家族みたいな感じです。

――春季リーグ第6戦で両校は対戦しましたが、その時のお互いの印象などは

山口 早稲田と戦った時は序盤に点数が離れちゃって、7対0ぐらいからスタートしたのかな。多分それぐらい序盤から本当に自分たちの弱いところが出てミスが多く多く出てしまって、全然戦える姿勢じゃなかったと振り返って思います。

佐藤 慶應義塾大学さんの試合は、自分が審判担当の時もあったのでどういう雰囲気でいつも戦っているかというのはよく見ていました。どんなに相手が格上だったとしても結構自分たちで雰囲気作っていけいけオーラ出してくるなというのは思っていたので、それを試合前には結構意識していて、僕がそのオーラに負けないようにしました。それと試合が始まって結構相手にリード離されても、ベンチの人とかがコートの中に声掛けたりとかしていて、そういうところはやっぱり結束力が強いのかなと思いました。

――早稲田と対戦して想定と違った部分はありますか

山口 自分は、水町選手とか山田選手とかが本当に多く打ってくるのかなと思っていたんですけど、思った以上に他の選手が攻撃に参加してきて本当に翻弄されたなと思います。

――お互いの個人のプレーについて感じたことは

山口 佐藤選手は本当に実力があって自分と全然比べようもならないんですけど、早稲田の他の選手もすごいのに、トスが上がってきてそれをライトから打つとか、1年生っぽくないというか、自分の代に思えないです。しっかりパンチ力があるというか、スパイクに本当に貢献していてすごいなと思っていました。

佐藤 自分は全試合ちゃんと出さしてもらっているわけじゃなくて、何戦か結構出てない試合とかもあったので、そういうところでは比較的リーグ戦の中でも体を休めることができていたかなと思うんですけど、山口選手は最初から最後まで多分ずっと出ずっぱりだったと思うので、1年生なのにずっと出ずっぱりでパフォーマンスを維持できるというのはすごいなと思いました。

――山口選手は1年生ながらも監督からの信頼も厚いと思いますが、大変なことは

山口 大変なこともありました。やっぱり自分がチームに合流したのもちょっと遅かったので、本当にリーグの3日前とかそれぐらいに「スタメンで行くよ」と言われて、先輩方とのコミュニケーションが十分に取れているわけではなかったので、自分のトスを要求したりとか、自分から声出したりっていうのは、本当に最初の方はできてなかったので、そこらへんは最初は苦労しました。

――佐藤選手は先輩とのコミュニケーションとかで苦労した面はありましたか

佐藤 春リーグ前に合宿があって、4年生の方とかは高校の時は直接の関わりがなかったんですけど、そこで結構コミュニケーションを取れたかなと思います。3年生とか2年生は結構顔見知りの人が多かったので、最初から結構話しやすかったかなというのはあります。

――お2人とも去年の早慶戦には行かれましたか?

山口 自分はライブで見ました。

佐藤 あー、僕は見てないです。

――大学進学するまで早慶戦バレーの早慶戦は見たことありましたか

佐藤 高校入ってから初めて知ったんですけど、ちょっと高校の時は部活が忙しくて。ずっと部活してたので見る暇がなかったです。

山口 自分も中学までは早慶戦あることは知らなくて。高校入ってから先輩方が大学で試合出ているのを知って。それで去年初めて早慶戦のライブ配信を見て「すごいな」と。

――そのすごいなと思った部分は例えばどんな点ですか

山口 直接見に行ったわけじゃないんですけど、観客の数とかと、ハーフタイムのパフォーマンスとか、本当に1試合のために周りの人がサポートして盛り上げてくれているというのを感じたので、プレーも本当にすごいんですけど、周りの環境が本当にすごいなと思いました。

満員の観客で会場は熱気に包まれた

――早慶戦の前に東日本インカレに向けて練習してると思いますが、チームの様子は

佐藤 4年生が教育実習でいない期間は、3年生が主体となって練習メニューとかを考えてくれました。主将の泰杜(=水町)さんと副将の吏玖(=伊藤)さんは教育実習が終わったのは本当に先日ぐらいで、今日(6月18日)から練習参加という形だったのですが、2人が教育実習で思うように練習ができなかった分があっても、自分たちが4年生がいない時に3年生と積み上げてきたものがあるので、下級生がしっかりやってきたことを今日の練習でもしっかりできていたので、雰囲気的には悪くないです。

――慶應の練習はリーグ戦の最中と違った面などはありましたか

山口 自分たちの目標が全日本インカレ優勝なので、それに向けた通過点だということは、チームの中ですごく意識しているのではないかなと自分は感じていて、東日本インカレも早慶戦も控えている中で、なかなか人数が集まらなくて練習がうまくいってないんですけど、その中で東日本インカレを通過点として、今成長できる舞台だと考えているので、今は本当に技術の向上とか、新しいことには挑戦しています。

――新しいこととは例えばどういう練習を主にしていますか

山口 ブロックフォローを落とさないということを結構春リーグ終わってから心掛けてきて、あとペナルティをしないということです。

――特別な舞台に立つとき、「いつも通りやる」か意気込むタイプか

山口 いつも通り派ですね。自分たちは春リーグからずっとチャレンジャーという言葉をずっと使っていて、やっぱり自分たちよりも本当に全ての大学が格上だと認識しているので、本当に自分たちがチャレンジャーの精神を持っていつも通りやるという感じですね。

佐藤 自分は特別なしことをしようとは思わないですけど、その日その日の自分のコンディションを考慮して、その日できることと、その日でできる1番ベストなことをしっかりやりきろうと思いますね。

――特に日吉記念館での開催のため、慶應側への応援もより熱いと思いますが

山口 自分が高校生のとき3年間は無観客で春高の舞台も無観客でした。大学で有観客でやるというのは、春リーグもあったんですけど、多分早慶戦はそれ以上にお客さんがいると思うので、自分の中でどうなるかはまだ全然わかんないんですけど、先輩たちの目を見て先輩たちについていって、自分のプレーがいつも以上に発揮できればなと思っています。

――応援についてはいかがですか。その応援とかで緊張しますか

佐藤 春高の準決・決勝で緊張してないので、多分緊張しないと思います(笑)。

――早慶戦の意気込み

山口 早慶戦に向けてチャレンジャーの精神を忘れることなく、本当に思いっきりプレーしたいと思います。早稲田の選手は本当に実力ある選手ばかりで、尊敬している選手も多いので、戦えることに感謝して早慶戦の一戦を楽しみたいと思います!

佐藤 早慶戦に向けて自分がこれまでやってきたことをしっかり全部出し切りたいと思います!

――ありがとうございました!

(取材:早稲田スポーツ新聞会 五十嵐香音/慶應スポーツ新聞会 五関優太)

2004(平16)年12月1日生まれ。190センチ。最高到達点333センチ。東京・駿台学園高出身。スポーツ科学部1年。同期の「大谷」陸選手が野球の早慶戦を見に行っていたそうで、自分も見に行ってみたいと話してくださいました!

2004(平16)年5月2日生まれ。185センチ。最高到達点330センチ。神奈川・慶應義塾高出身。経済学部1年。高校の寮のご友人に野球部が多かったそうで、彼らが神宮球場で活躍する姿を応援したいことから、野球の早慶戦をもう一度見に行きたいそうです!慶大は野球応援にかなり力を入れていて、一丸となって応援できることが魅力だそうです。

★早慶バレー定期戦はUNIVAS Plusで配信予定!

リンクはこちら→https://app.adjust.com/11mdisms

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