真備の復興 カレーライスで表現 倉敷のカフェ、看板メニューに

南山に見立ててライスを盛り付けた「南山掘削カレー」

 マービーふれあいセンター(倉敷市真備町箭田)内の「マービーカフェ」が、2018年7月の西日本豪雨で浸水被害に見舞われた真備地区の復興をテーマにしたカレーライスを売り出した。同地区で進む小田川と高梁川の合流点付け替え事業で姿を消した「南山」に見立ててライスを盛り付け、変容する地域を表現。「復興グルメ」として地域ブランド化を目指す。

 同事業は合流点を現在の約4.6キロ下流に移し、柳井原貯水池(同市船穂町)を小田川のバイパスとして利用。バイパス上に位置した南山(標高67メートル)は山頂にあった戦国期の山城跡も含め、取り除かれた。

 カレーは、掘削されて平たくなった南山をライスでかたどり、小田川の新たな流れをルーで表した。ライスには「南山城」と記した旗も立つ。緑豊かな一帯の様子になぞらえ、地元産の旬の野菜を使ったサラダなどを日替わりで添える。名称は「南山掘削カレー」で、価格はミニデザートが付き800円。

 事業を担う国土交通省高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所と真備船穂商工会青年部が復興グルメとして共同開発し、昨年12月に地域のイベントで初めて披露。同カフェがレシピに改良を加え、盛り付けなどのコンセプトを引き継いだ。

 カフェはこれまで不定期営業だったが、7月8日から毎週土曜日にオープンする。丸川和子副店長(59)は「復興グルメは災害や復興について考えるきっかけになる。看板メニューに掲げ、種類も増やしていきたい」と話している。

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