マグロ船主宅をシェアハウスにリフォーム 三浦への移住支援会社、8月から入居者受け入れ

共同住宅みやぎの2階。菊地社長が立つ廊下には洗面台がある=23日、三浦市三崎5丁目

 人口減が進む三浦市内への移住を支援している民間の合同会社「ミサキステイル」が、元マグロ船主の住宅をシェアハウスにリフォームしている。「三崎の歴史が刻まれた建物を活用して残したい」と、船員たちが間借りしていた当時の造りを生かしながら改築した。8月から入居者を受け入れる予定。

 バス停「三崎港」から歩いて約3分。閑静な住宅街の一角に立つ木造2階建ての「共同住宅みやぎ」。1階は台所や風呂、シャワー室、トイレなどの共有スペースと管理人室を設ける。

 2階は入居者の居室4部屋と、ランドリー室や共有スペース。居室は全てフローリングに変更し、エアコン付き。広さは部屋ごとに異なるが4畳半以上を確保。間取りや日当たりなどに応じて家賃は月4万9千円~5万5千円と幅がある。

 かつてはマグロ船主の家で、遠洋から戻ってきた船員が休養のため間借りする部屋が2階に5部屋あった。階段の幅が広く、3人が一度に使える洗面台もある。

 築60年以上の建物は空き家になっていて、取り壊される予定だった。昨年の春ごろ、知り合いの解体業者から「壊すのはもったいない。見てみたら」と同社に連絡があり、物件を購入した。

 昨年12月から改築作業を開始。工事費を抑えるためほとんどの部分を同社の菊地未来社長(34)やメンバーが手がけ、間もなく終了する見通しだ。

 柱などの骨組みはそのまま生かし、「1階の共有スペースは間取りを広げ、開放的な造りにした」と菊地社長。ベッドや家具などは3月に閉館した船員らの保養施設「サンポートみさき」(同市三崎)にあったものを再利用している。

 同社は2018年に法人化され、移住支援や空き家の活用に取り組んでいる。シェアハウスの運営は初めてで、菊地社長が管理人として入居する。

 入居の問い合わせは、いわの不動産電話046(874)8551。

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