JA全農は6月の牛乳月間で、東京都内などの都市住民に向けた乳製品の消費拡大イベントに力を入れ、反響の大きさに手応えをつかんでいる。東京都内で開いた牛乳飲み比べイベントには2000人近い来場者で長い列ができるなど関心は高く、苦境にある酪農への理解や応援の輪の広がりにも貢献しそうだ。
飲み比べイベントは今月中旬、JR新宿駅近くのJA東京アグリパークで開いた。各地の乳業メーカーが製造する「農協牛乳」や、よつ葉乳業(北海道)の「北海道根釧よつ葉牛乳」、日本酪農協同(大阪)の「毎日牛乳(ロングライフ)」といった牛乳12種類の他、生乳を原料にした乳飲料2商品もそろえた。100円で飲み放題にし、ドリンクサーバーで飲み比べできるようにした。
来場者に評判だったのが、銘柄ごとに味の特徴を表した比較チャート。産地や製法によって異なる牛乳の味を感じてもらう狙いで、「コク」「スッキリ」「甘味」「香り」の4項目を基準に各銘柄を分類した。
当日の来場者数は約1900人。最長1時間待ちの行列ができ、「想定を上回る盛況ぶりだった」(全農酪農部)。用意した計400リットルの牛乳・乳飲料は4時間半ほどでなくなったという。
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一般利用も可能な農水省の食堂「あふ食堂」では、牛乳・乳製品を使ったメニューを特別に用意した。牛乳やチーズ、スキムミルクなどを使ったみそ汁やドリア、ミルクスープカレーなど15品を週・日替わりで提供した。同様のメニューを厚生労働省や財務省、法務省の各食堂でも提供した。