富士山、5千~4千年前6回噴火 未知の活動、山中湖地下に火山灰

富士山と山中湖=2月(共同通信社ヘリから)

 東京大と山梨県富士山科学研究所のチームは30日、これまで活動の空白期と考えられていた5千~4千年前に富士山が少なくとも6回噴火していたことを確かめたと発表した。山梨県側の麓にある山中湖の湖底で、未知の噴火による火山灰を確認した。研究成果は国際科学誌で報告した。

 100~200年置きという高い頻度で噴火したとみられ、横山祐典東京大教授(地球システム学)は「過小評価できない活動があったと言える。今後の防災計画や避難経路策定に活用できるのではないか」としている。

 チームは湖底や周辺の陸上で地下の地層8千年間分を調査し、年代測定に利用できる、ごく弱い放射線を出す炭素を採取して分析した。1998年に採取した湖底の地層には、ごく少量の放射性炭素しか含まれておらず、技術的に測定が難しかったが、最新の機器で分析したところ精度よく地層の年代を特定できた。

 また地層に火山灰が含まれていないかどうかを詳しく調べた結果、富士山に特徴的な玄武岩質の火山灰が5千~4千年前の地層に含まれていることを突き止めた。

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