[後編]9カ月~中学生|子どもの水分ってどのくらい飲ませればいい?医療法人社団正恵会DIOクリニック理事長、藤井先生に伺いました!

[前編]5カ月~8カ月頃|子どもの水分ってどのくらい飲ませればいい?

そろそろ離乳食の時期だけど、水分ってどのくらい取ってもらえばいいんだろう?
どういった方法が飲ませやすい?さらには脱水症状の見分け方のポイントも知りたい!
そんな盛りだくさんの悩みについて、医学博士、循環器内科専門医である医療法人社団正恵会 DIOクリニック理事長、藤井 崇博先生にお伺いしました。今回は後編です。
子どもへの水分の取らせ方に関して、コップで水分がとれるようになる前と後、2回に分けて説明させて頂きます。
今回はコップで水分がとれるようになる後の話に加えて、脱水症状の確認方法になります。

コップで水分がとれるようになって以降

コップ数口を決まったタイミングで

年齢別に摂取すべき水分量の目安を下記に掲載しておきます。
コップで水分がとれるようになってからはコップ数口の分量(約50~100mL)を、起床時や食事の時、おやつの時、散歩や外遊びの前後、入浴後など毎日決まったタイミングで摂取することで水分補給を日々の習慣にすることが出来ます。
飲み物は基本的にカフェインが入っていない麦茶か水が適しています。
緑茶やウーロン茶はカフェインを含むので、利尿作用でかえって体の水分を排出してしまうので注意が必要です。
スポーツドリンクは汗をかいた時の塩分補給には有効ですが、砂糖も多く含まれるため普段の水分補給では、なるべく控えたほうがいいと考えます。

年齢別体重1㎏あたりに必要な水分量

[乳児]
※1歳くらいまで
100~120mL(体重10kgの場合1~1.2L)

[幼児]
※1歳すぎ~6歳くらいまで
70~90mL(体重16kgの場合1.12~1.44L)

[学童]
※小学生以降
60mL(体重37kgの場合2.22L)

[成人]
40~50mL(体重60kgの場合2.4~3L)

脱水症状になっているか確認する方法や、気になるサインはありますか?

これからの季節、高温多湿な気候になります。
さらに感染症にかかり発熱や下痢、嘔吐が続いている時などは更に脱水症の注意が必要です。
脱水症が起こるかもしれない状況で下記のような症状が出ている場合は、重症の脱水症の疑いがありますのですぐに医療機関を受診し、治療を受けるようにしてください。

・尿の色が非常に濃い、または尿が出ていない ・泣いても涙が出ない ・目が落ちくぼむ ・うとうと、ぼんやりする。もしくは、ちょっとした刺激に過敏に反応する ・呼吸があらい ・皮膚と粘膜の乾燥(しわやたるみが目立つ) ・大泉門(頭の上にある頭蓋骨の隙間)がへこむ ・手足の体温が冷たい、まだら状の模様が出ている(網状チアノーゼ) ・意識障害、けいれんがある

小学生や中学生が子ども同士ででかける場合に気を付けることは?

これからの季節は熱中症のリスクが高くなります。
熱中症が起こりやすい条件をまとめておきますので、お子さんが子ども同士で出かける場合には是非参考にしていただき、保護者の皆さんが危険と判断される条件では子ども達だけでの外出を控えさせる必要があるかと思います。
いつでもどこでもだれでも条件次第で熱中症にかかる危険性がありますが、熱中症は正しい予防方法を知り、普段から気をつけることで防ぐことができます。
例えば、初夏や梅雨明け・夏休み明けなど、体が暑さに慣れていないのに気温が急上昇するときは特に危険です。無理せず、徐々に体を慣らすようにしましょう。
熱中症を引き起こす条件には、気温が高い、湿度が高い、日差しが強いなどの環境条件のほか、乳幼児や高齢者、暑さに慣れていないなどの体の条件、長時間の屋外作業などの行動の条件があります。
これらの環境条件の下、体から熱が放出されにくくなることで熱中症が発生しやすくなります。
「暑くなり始め」や「急に暑くなる日」、「熱帯夜の翌日」は特に注意し、気温や湿度が著しく高い環境では、なるべく激しい運動やスポーツを控えるようにしましょう。
室内でも、閉め切った部屋や風通しが悪い場所では、熱中症の危険性が高まります。
適切な対処法で、暑い夏を賢く乗り切りましょう。

執筆者

藤井 崇博先生
医療法人社団正恵会 ディオクリニック統括院長

経歴
専門領域は循環器内科で心臓領域を専門としており、研修医から2021年までの約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事させて頂き、循環器内科専門医、循環器内科領域での医学博士号を取得しております。
現在も循環器疾患を含め外来での診療は継続させて頂いております。
循環器内科医として様々な患者さんの診察に日々従事する中で、何よりも大事なのは未病、医学的には一次予防と呼ばれる未然に病気になるのを予防しようとする意識が大事だと常々思います。
最近では対面でお話出来ないことも多いので、SNSやその他コラムなどで健康に有益な情報の発信に力を入れております。

藤井先生@ダイエット豆知識チャンネル

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