23年食品値上げ、2万9千品目 10月までに前年超、帝国データ

買い物客でにぎわう東京・上野のアメ横商店街=2021年

 帝国データバンクは30日、2023年に値上げしたか値上げを予定する食品が10月までに2万9106品目に達し、22年の2万5768品目を超える見通しとなったと発表した。原材料価格の上昇分を価格転嫁する動きが拡大し、家計の負担感が一段と強まっていることが浮き彫りとなった。

 5月末時点の調査では、23年の値上げ品目数は2万5106の見通しだった。10月に日本酒やワインなどが値上げされることになり、品目数が積み上がった。

 品目数は11月以降も増加する見込みで、帝国データバンクは23年の値上げ品目数が最終的に3万5千品目前後に達すると想定。「バブル崩壊以降で類を見ない値上げラッシュだ」としている。

 7月は3566品目が値上がりする。分野別ではパン製品の1578品目が最多。業務用小麦粉価格が上昇したためで、敷島製パンは食パン「超熟」や菓子パン「あらびきソーセージ」、フジパンは「本仕込食パン」などを値上げする。

 帝国データバンクは「値上げをきっかけに店頭で売れ行きが鈍る食品もある」と指摘した。

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