新小岩駅前と赤羽駅前 放置自転車対策 明暗分けたのは?

コロナ禍を経て街に人出が戻る中、再び問題となっているのが駅前などの放置自転車です。東京都が発表した放置自転車の数では昨年度、最多となったのは葛飾区の新小岩駅周辺でした。また、コロナ禍を除けば放置自転車が増加傾向にあることが分かります。一方で、北区の赤羽駅はかつて何度も放置自転車の数が最多となっていましたが、昨年度は83台と、はじめて2桁まで減少しました。どちらも対策を続けてきたという2つの地域の差は?現場を取材しました。

葛飾区・新小岩駅の周辺には、駐輪禁止の場所にもかかわらず、数多くの自転車が。さらに、取材中に放置していく人もみられました。

一方、北区の赤羽駅周辺は、一昨年10月に取材した時には放置自転車で溢れていた駅前が、6月のこの日は一台も見あたりませんでした。

赤羽駅の利用者:「気が付いておりました」「この辺は整備が徹底している感じ、変化はすごく感じました」

新小岩と赤羽、2つの地域に差がついた要因は、「駐輪場の設置場所」。赤羽駅周辺では大手スーパーの前やよく使われる道路沿いなど、利用者が利用しやすい場所に一昨年駐輪場を設置し、放置自転車の減少に繋げていました。一方、葛飾区でも去年、新たな地下駐輪場を設置しましたが、利用者数は、収容台数の約半分に留まっています。

葛飾区 担当者:「駅から離れているという点で、利用者が少ないのかなという気はします。場所の確保が難しいのが一番大きいですね」

駐輪場の利便性が、放置自転車対策の明暗を分けているようです。そしてさらなる要因が、「撤去の基準」。実は新小岩駅のある葛飾区と赤羽駅のある北区では、放置自転車の撤去に関する規定が違います。葛飾区では1時間の放置で撤去され、返却料金は3000円です。一方、北区ではこの10年で徐々に規定を強化し、現在は30分の放置で撤去され、返却料金は都内最高額の5000円です。北区が進める対策強化…地域の人たちもその厳しさと効果を実感しているようです。

赤羽駅の利用者:「あっという間に持ってかれる」「何回もやられています」「何万も払っていますね」「最近そういわれてみるとないですね」「前はもうね、埋め尽くしてましたからね」

放置自転車の対策に苦戦している葛飾区ですが、様々な新たな手を打っています。まず今年度から、駅周辺の人の流れの調査を行い、その結果をみて新たな駐輪場の設置場所を検討する予定です。また、民間の事業者が駐輪場を設置する場合に区が費用の一部を助成する取り組みも行っていて、駐輪場を拡充させて放置自転車を減らしていく方針です。

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