「藪知らず」がライトアップへ 七夕に初、児童の短冊飾る 市川・八幡 

7月の七夕時期にライトアップされる「八幡の藪知らず」=市川市

 千葉県市川市・八幡地区の市街地に残る竹藪(やぶ)で、「足を踏み入れたら二度と戻れない」との古い言い伝えで知られる「八幡の藪知らず」が7月の七夕の期間、児童らの願い事の短冊で飾られ、ライトで照らされる。ライトアップは初めて。

 JR本八幡駅近く、国道14号を挟んで市川市役所の向かいにあるうっそうとした竹藪などの森が「藪知らず」だ。鳥居と「不知森神社」のほこらがあり、葛飾八幡宮が管理している。

 ライトアップは7月2日夜の点灯式後、15日まで毎夜、日没から午後9時まで実施。敷地内に、地域の11小学校の児童らが書いた願い事の短冊約7千枚を飾り付ける。

 市川市青少年相談員連絡協議会が、会創立60周年を記念し企画した。同会副会長で、葛飾八幡宮の氏子青年会会長も務める山中右次さん(52)が「子どもらの思いが天に届くような過去にないイベントを」と八幡宮に相談し「子どもたちのためなら」と了解を得た。

 集まった短冊の願い事には「プロ野球選手になりたい」や「中学受験合格」のほか「家族と元気でいられますように」とコロナ禍での経験を踏まえた内容も。

 山中さんや同協議会の黒田和宏会長(54)らが29日、短冊を八幡宮本殿に持参した。黒田会長は「難しい提案を受けてくれた八幡宮に感謝したい。『藪知らず』が市川を見守り、みんなが手を合わせる場所になればと思う」と話した。

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