<女性職員に暴行し罰金>長生村議・東間氏が議員辞職 3度の勧告後、副議長も 村長「遅すぎた」 一連の問題で苦情数百件

東間氏の議員辞職を全会一致で許可した長生村議会=30日午後1時5分ごろ、同村議会議場

 公用車内で長生村職員の20代女性に暴行を加えけがを負わせたとして、傷害罪で罰金刑を受けた同村議会の東間永次議長(77)が、30日午前に議長職を辞め、同日午後になって議員も辞職した。村議会が東間氏に対する3度目の議員辞職勧告決議案を可決した後、議員辞職願が提出され、同議会が了承した。公用車に同乗していた木嶋晴一副議長(72)の議員辞職願も同日許可され、正副議長が議員を辞職した。

 村議会事務局によると、東間氏は同日昼、別の議員を通じて辞職願を事務局に提出。村議会は同日午後に本会議を開き、全会一致で東間氏の辞職を許可した。辞職理由は「一身上の都合」だった。

 体調不良を理由に議会を欠席した東間氏は、事務局を通じ、「お騒がせをして誠に申し訳ありません。心からおわび申し上げます」とのコメントを出した。

 東間氏は5月30日と6月20日の2度にわたり、議員辞職勧告決議を受けていた。6月26日に議長職の辞職願を提出したが、議員の辞職願は出されていなかった。

 このため村議会は30日午前、議長職の辞職を許可した上で、東間氏に対する3度目の議員辞職勧告決議案を全会一致で可決。本会議後、議員4人が会見し、東間氏の「議員辞職を求める会」を立ち上げ、リコール(解職請求)に向けた署名集めを始めると表明した。会には13人の議員が賛同したとしていた。

 東間氏の議員辞職を受け、議会改革特別委員長の関克也議員は「何度でも辞職勧告決議を提案するつもりだった。(東間氏は)世論に追い込まれたのだと思う」と指摘した。

 今回の問題を受け、村議会はハラスメント防止条例の整備を進めており、条例制定班長の門口昭議員は「二度とこうしたことがあってはならない。早期に取り組み、9月議会にも上程したい」とした。村職員と議員を対象としたアンケートなどを踏まえ、条例案を作成するという。

 公用車に同乗していながら暴行を止めることができなかったとして、議員辞職を勧告されていた木嶋氏は、29日に議員辞職願を提出しており、30日午前の本会議で許可された。

 不在となった正副議長の選挙は立候補制で7月5日に行われる見通し。

 村によると、一連の問題で村役場にはこれまで、苦情の電話が500件以上、メールが約200件寄せられた。「移住してきたが、出て行く」「ふるさと納税はもうしない」などの声もあったという。

 小高陽一村長は「これからが大変。落ちたイメージをどう回復するか。(東間氏の辞職は)ちょっと遅すぎた」と述べた。

 事件をきっかけに、公用車の公務外利用も発覚。村は、これまでなかった公用車の運行規定を策定することにしている。

東間永次氏

© 株式会社千葉日報社