番組初の撮影!アイスランドの世界遺産「ヴァトナヨークトル国立公園」

1996年4月から放送が始まり、今春から放送28年目に入った『世界遺産』(毎週日曜午後6時)。
今回番組では、長きにわたる放送の中で初めての撮影となる世界遺産、アイスランドの「ヴァトナヨークトル国立公園」を7月9日(日)・16日(日)の2週にわたって放送する。

「ヴァトナヨークトル国立公園」は、イギリスとグリーンランドの間にある島国、アイスランドの南東部にある自然遺産。2019年に開催された世界遺産委員会で「火山と氷河が生んだ変化し続ける景観」として、アイスランドの3件目の世界遺産として登録された比較的新しい世界遺産だ。
担当の江夏治樹ディレクターや『世界遺産』のベテランスタッフも「見たことがない!」と驚いた絶景ばかり。噴火を繰り返す火山群の上にヨーロッパ最大級の氷河が広がる、世界でも珍しい大自然の魅力を余すところなくお届けする。

■放送内容/みどころ
1.火山の上にあるヨーロッパ最大級の氷河の魅力!
ヴァトナヨークトル国立公園の大部分を占めるヴァトナ氷河。その大きさは東京・神奈川・埼玉がすっぽり収まるほどの広さで、高地全体を分厚い氷が覆っている。そして最大の特徴は氷河だけでなく、厚さ最大900mもある氷の下にいくつもの活火山が存在していること。そのスケールは桁外れで、空からでなければ火山と氷河を一度に捉えることはできない。番組ではそのダイナミックな景観を映像に収めるためヘリでの空撮に力を入れ、イギリスのロンドンからヘリ空撮専用の防振装置と専門のオペレーターを呼び寄せて撮影を敢行。アイスランドは天候が不安定な日が多いため空撮のタイミングがとても難しいが、今回は限られた時間の中で活火山の中でも頻繁に噴火するグリムスヴォトン火山をカメラに収めることができた。

(C)TBS

この火山は直径12kmにもなる巨大なカルデラ(くぼ地)の一部が氷河の上に顔を出しており、火山ガスが噴き出す様子を見ることができる。さらに、カルデラ内には蒸気をあげる湖も。地熱で氷河が解けて生まれたものだが、見えているのはごく一部。分厚い氷の下には巨大な湖が隠れており、噴火が起こると氷河の下の湖が増水して決壊し大洪水が発生する。そして、火山と氷河が引き起こす大洪水は広大な水浸しの平地を生む。今まで数々の世界遺産を取材してきた江夏ディレクターが「見たことがない!」と驚く珍しい景色だ。
番組では、氷河から解け出す水の流れが作り出す壮大な景色も撮影。ヴァトナ氷河から解け出した水によって生まれたヨーロッパ最大級の水量を誇る「デティフォスの滝」。滝から流れ落ちる水は毎秒700トン! 氷河から解け出した大量の水と、度重なる大噴火で誕生した溶岩大地が生み出す絶壁の渓谷美も圧巻だ。

2.ここでしか見られない大自然のアートの数々!
広大な氷河と火山の噴火のコラボは、ここでしか見られない様々な絶景を生み出している。そのうちのひとつが、世界的にも珍しい氷河の大地に広がるマーブル模様だ。この模様を生み出す要因のひとつは火山灰。噴火による火山灰が氷河の上に積もって黒い層ができ、次に冬に雪が降って氷の層ができ、夏になると氷河の上に埃などが溜まり再び黒い層が生まれる・・・といったことが繰り返され、氷河の表面がデコボコに解けることでマーブル模様が現れるのだ。火山と氷河がある場所だからこその現象である。
火山が生み出す地形もユニーク。アイスランドはプレートの境目に位置しており、その境目に沿って噴火が起こるため、火山が列になっているのが特徴だ。

(C)TBS

また、「ダイヤモンドビーチ」と呼ばれる砂浜もある。海に流れ出た氷の欠片が光を浴びてダイヤモンドのように輝いており、海岸の砂も溶岩が砕けたもので黒く、その黒さが氷の輝きを際立たせている非常に美しい自然美だ。

<担当ディレクター・江夏治樹コメント>
これまで70か国近くを訪れ、様々な世界遺産を撮影してきましたが、ヴァトナヨークトル国立公園には度肝を抜かれました。その規模、成り立ちの特殊性、多様な景観・・・地球にはまだこんな場所があったんだ! と感動。まるでSF映画の世界でした。

<プロデューサー・堤 慶太コメント>
この世界遺産は2019年のユネスコ世界遺産委員会で審議され登録が決まったのですが、委員会を取材中だった私は初めてヴァトナヨークトル国立公園の存在を知りました。そこで説明された「大氷河の下の火山が噴火して氷を解かし、洪水を起こす!」という話に衝撃を受け、すぐに撮影したいと思いました。しかしコロナ禍のために延び延びに・・・。4年目にしてようやく放送にこぎつけました。まさに大自然が起こす驚異の世界。かつて私が感じた衝撃を、視聴者のみなさんにも感じていただけたらと思います。

■「世界遺産」がデータ放送をスタート!
「ヴァトナヨークトル国立公園」を放送する7月9日(日)から、番組初のデータ放送も始まる。放送中にテレビリモコンのdボタンを押すと、その日の『世界遺産』の詳しい情報や見どころを確認することができる。これによって番組の途中から視聴しても内容が理解しやすくなる。また「あなたが選ぶ今日のベストショット」のコーナーも。その日の『世界遺産』のベストショット候補(画像と説明)から選び、リモコンの色ボタンで投票することができる。投票の結果・順位は、番組の最後にデータ放送上で発表され、第1位になったベストショットは年末の総集編「ベストショット2023」放送回でも紹介される予定だ。これは視聴者により番組に参加してもらおうという企画である(※インターネットに接続されたテレビのみ投票を集計)。

◆『世界遺産』
7月9日(日)・16日(日) 午後6:00~6:30
(C)TBS

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