犬用の『日焼け止め』はある?その必要性やメリット、使用時の注意点までを徹底解説

犬用の「日焼け止め」の必要性

犬も人間と同じように紫外線を浴びることで日焼けをすることがあります。

皮膚が日焼けによって真っ黒になるということは犬には見られませんが、皮膚が赤くなったり、硬くなったり、シミができるなどすることがあります。

日焼けによって皮膚にかるい炎症が起きることもありますし、もともと皮膚が弱い犬の場合では、重度の皮膚炎を起こすこともあります。日光性皮膚炎や光線過敏症を起こした場合では、治療を受けなければなりません。

犬にも日焼け止めを使うなどの紫外線対策が必要であると言えます。

犬に「日焼け止め」を使うメリット

犬用の「日焼け止め」の必要性が理解できたところで、次にそのメリットについて解説します。

紫外線の強い日も散歩を楽しめる!

犬に日焼け止めを使うメリットは、紫外線の強い日も散歩を楽しめるということです。

1年で紫外線が強くなる時期は5月~8月とされています。日差しの少ない時間帯に散歩に行かれるかと思いますが、曇りの日でも意外と紫外線は強く、犬も影響を受けやすいです。

ヘアレスに分類される犬種やサマーカットをしている犬は、とくに注意が必要です。

全ての犬に共通して日焼けしやすい耳・目の周り・鼻先・毛の薄いお腹周り・口周りには、日焼け止めを使うことで強い紫外線から守るとよいでしょう。

光の影響による老化を防ぐことができる

犬に日焼け止めを使うメリットは、光の影響による老化を防ぐことができるということです。

紫外線には「UVB」と呼ばれるものがありますが、犬の皮膚の細胞を傷つける存在です。傷つけられた細胞は修復されますが、紫外線を浴び続けることで修復が追い付かなくなってしまうことがあります。

傷つけられた細胞が突然変異を起こし、皮膚がんを発症する可能性がある、とも考えられています。

犬自身は気にしないかもしれませんが、皮膚にシワができたりシミができたりし、ハリや弾力が失われることで若々しさを感じられなくなってしまうこともあります。

犬の細胞レベルでの老化を防ぐためにも日焼け止めが役立てられると思います。

犬用の「日焼け止め」を使う時の注意点

ではここからは、犬用の「日焼け止め」を使う時の注意点について解説します。犬用なら何でも良い、というわけではありませんので購入の際はご注意ください。

自然派すぎて効果が分からない

犬用の日焼け止めには、植物のオイルを原材料とした商品があります。

オーガニックであることに安心感を覚えますが、どのような成分にどのような日焼け止め効果があるのか、ということが分かりづらいという難点があります。

日焼けを火傷と考え、植物のオイルを皮膚に塗ることで火傷から守られる、ということなのかもしれません。

オーガニックな植物のオイルはニオイが強く、犬が嫌がる可能性があります。犬の皮膚に合わず、赤みや痒みを伴うなど皮膚に炎症を起こす可能性もあります。

海外製の犬用の日焼け止めには日本語の取扱説明書がない

犬用として販売されている日焼け止めは海外製が多く、今現在で私は日本製の犬用の日焼け止めを見たことがありません。

日本からも購入することが可能ですが、日本語の取扱説明書がありません。パッケージにも外国語で書かれているため、どんな成分が配合されているのか知ることができません。

愛犬の皮膚に直接使うものですから、安心して購入し、安全に使いたいですよね。原材料や成分、使用方法などを十分に確認してから購入するようにしましょう。

まとめ

犬にも日焼け止めの必要性があると言えますが、紫外線の影響から愛犬を守ることができるアイテムは他にもあります。UVカット加工がされた服・帽子・ゴーグルなどです。

紫外線は犬の目にも影響を及ぼし、白内障などの目の病気を発症させることがあります。紫外線の強い日には、服や帽子、目を守るゴーグルを着用してお散歩を楽しめるとよいのではないでしょうか。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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