逗子の敷地崩落、住人と遺族和解 管理会社側とは賠償訴訟を継続

 神奈川県逗子市で2020年、マンション敷地の斜面が崩れ、県立高の女子生徒=当時(18)=が土砂に巻き込まれ死亡した事故を起こした責任があるとして、遺族が管理会社などに損害賠償を求めた横浜地裁の訴訟で、マンションを区分所有する住人らと遺族の和解が成立したことが30日、分かった。住人らが和解金1億円を支払う。28日付。

 管理会社「大京アステージ」などは争う姿勢で、訴訟は継続する。

 遺族は、マンション管理人が事故前日、斜面に約4メートルの亀裂があるのを発見して管理会社側に連絡したのに、対応を怠ったとして提訴。危険な敷地に建つマンションの区分所有者らにも責任があるとしていた。

 遺族の代理人弁護士によると、区分所有する住人側は、マンション完成前の地質調査で斜面に風化による強度低下が指摘されたとする証拠を任意で提出した。弁護士は「誠実に対応してくれた。管理会社側の過失に対する判断を裁判所に仰ぎたい」と話した。

 事故は20年2月5日午前8時ごろ発生した。

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