ケチャップ、バーベキューソースに合うのは?ワインと赤身肉、ベジタリアン料理とのおすすめの組み合わせ方とは!?【一生に一冊はもっておきたいワインの教科書】

ワインと赤身肉、ベジタリアン料理との組みあわせ

赤身肉はリッチさ、力強さ、風味を兼ね備えており、とりわけ赤ワインと絶妙な味わいを生み出す。しかし、肉をつかわないベジタリアン料理であっても、ワインとみごとに調和し、よりおいしく感じさせてくれる逸品がたくさんある。

赤身肉やジビエとのワインの組み合わせ

風味の特徴

赤身肉やジビエには無数の組みあわせがある。あらかじめ組みあわせかたを考えておこう。

グリル、ローストの赤身肉やジビエとワインの組み合わせ

【正統派】メドック(フランス/ボルドー地方)、コート・デュ・ローヌ(フランス/ローヌ渓谷地方南部)

【上級者】キアンティ・クラッシコやブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(イタリア/トスカーナ)などの赤ワイン

【個性派】オーク樽で熟成したピノタージュ(南アフリカ)

ソース添えの赤身肉やジビエとワインの組み合わせ

【正統派】ポイヤック(フランス/ボルドー地方)、シャトーヌフ・デュ・パプ(フランス/ローヌ渓谷地方)

【上級者】リオハ・レセルバやグラン・レセルバ(スペイン)、しっかりと熟成したマディラン(フランス/南西地方)

【個性派】ジンファンデル(アメリカ/カリフォルニア)、プリミティーヴォ(南イタリア)

ケチャップ、バーベキューソースという難問

牛肉といえばバーベキュー。ハンバーガーや骨つきロース、リブもはずせない。となると、必然的にケチャップやバーベキューソース、エシャロットやロックフォールチーズをつかったソースの出番になる。こうしたソースにはなにが入っているのだろう? 結論からいうと、なんでも入っている。高濃縮トマト、スパイス、唐辛子、こしょう、砂糖、ビネガー。ガーリックやエシャロットの香料が入っている場合もある。

ではどんなワインをあわせるべきか?

意外にもこうしたソースはワインと相性がよく、タンニンともあう。ただし、ケチャップのような甘いソースとあわせると、ワインが実際よりも貧相に感じられる場合が多い。こうしたことを考えると、力強い果実味のある赤ワインが無難。スペイン、イタリア、カリフォルニアの味わい深いワインを選ぼう。

ベジタリアン料理とのワインの組み合わせ

風味の特徴

野菜は、白ワイン、赤ワイン、ロゼワインと数えきれないほどの組みあわせが可能だ。ただし、タンニンとの相性が悪い緑色野菜には要注意。

緑色野菜とワインの組み合わせ

アスパラガス、ほうれん草、ピーマン、オゼイユ など

【正統派】シャブリ(フランス/ブルゴーニュ地方)、サンセール(フランス/ロワール渓谷地方)

【上級者】コンドリュー(フランス/ローヌ渓谷地方)、ピノ・グリ(フランス/アルザス地方)、シャルドネ(アメリカ/カルフォルニア)

【個性派】ナバラ(スペイン)、ロゼワイン(フランス/プロヴァンス地方)、シュナン・ブラン(南アフリカ)

根菜とワインの組み合わせ

にんじん、パースニップ、根セロリ など

【正統派】ピノ・グリやゲヴュルツトラミネール(フランス/アルザス地方)

【上級者】辛口や中辛口のトカイ(極甘口ワイン、ハンガリー/トカイ)

【個性派】リースリング(オーストリア)、辛口白ワインや赤ワイン(フランス/ジュラ地方)

豆類とワインの組み合わせ

レンズ豆、ひよこ豆 など

【正統派】コート・デュ・ローヌ(フランス/ローヌ渓谷地方南部)、ボージョレ(フランス/ボージョレ地区)

【上級者】シャトーヌフ・デュ・パプ(フランス/ローヌ渓谷地方南部)などの白ワイン

【個性派】リラック(南フランス)、タヴェル・ロゼ(フランス/ローヌ渓谷地方南部)、ピノ・グリージョ(北イタリア)

卵にあうのは?

生っぽい卵のぬめりがタンニンとあわないことから、卵にあうワインはないと考えられがちだが、実際はさまざまな組みあわせが可能だ。ポイントは、タンニンの強い赤ワインは避けること。ブルゴーニュ地方やローヌ渓谷地方南部の芳醇な白ワインはもちろん、ロゼワインも相性がいい。ただしタンニンは、動物性脂肪と相性がよいので、卵にバターやオリーブオイルなどがたっぷりかけられていれば、相性のよしあしを気にすることはない。

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気になる中身を少しだけご紹介!ワインのスタイルによってブドウの収穫タイミングが変わる!手摘みと機械の収穫ではどう違うのか?

収穫に適した最良のタイミングって?夜間収穫もある?

ブドウが熟したら、収穫のはじまりだ。収穫は手摘み、または機械で行う。開花してから100日ほどで収穫に入るが、ブドウの成熟度と目標とするワインのスタイルによって、収穫のタイミングを決める。収穫日の決定は難しく、責任重大だ。はやすぎると、実が酸っぱく、糖分の含有量も低い。遅すぎれば、過度に成熟して酸味が足りず、糖度がごく高くなるほか、灰色カビ病に感染するリスクもある。栽培者は時間をかけて天気予報をチェックし、ベストなタイミングを見きわめる。

手作業で収穫するのは負担が重く、時間もかかるが、格の高いアペラシオンや、アクセスしにくいブドウ畑や丘陵、特殊な醸造法を必要とするブドウでは手摘みがふつうだ。たとえば、極甘口ワインに用いる貴腐菌ボトリティス・シネレアのついたブドウは、手摘みと決まっている。シャンパーニュなど一部のアペラシオンの規定でも、収穫は手摘みとされている。手摘みには、摘む人と運ぶ人のチームワークが重要だ。摘む人は剪定ばさみで注意深く房を切り、ケースなどに入れる。運ぶ人は背負いカゴにブドウを入れて列の端まで運び、ケースなどに入れる。ケースならそのままトレーラーに乗せて、醸造所まで運んでいける。

新鮮さを保つため、月と星の明かりのもとライトをつけながら収穫することを夜間収穫という。冷気がブドウの酸化を防ぎ、実に含まれるフレッシュさやフローラルなアロマをあますところなく守ってくれるのだ。

機械収穫は手摘み収穫となにが違う?

収穫機はブドウ収穫のために設計された機械で、1回で収穫のすべての作業を行う。ブドウ樹の列をまたいで進み、振動作用を利用して作業する。機械から支柱とブドウ樹に振動を伝えることで、実がふり落とされるというわけだ。ただし、すべての品種が機械収穫に向いているわけではない。

収穫機が登場したのは1970年代。効率的に収穫できるのが強みで、実が樹になったまま腐るなどという事態を防げる。また夜間にもつかえるので、ブドウの鮮度を保ちやすい。経済面でも機械は文句なしに優秀。機械収穫されたブドウはクオリティが劣ると、まことしやかにいわれているが、新世代の機械なら、しっかり調整して準備をしておけば、抜群のはたらきをしてくれる。

世界中のワインをもっと深堀り!プロヴァンス地方のワインの魅力とは?

ロゼワインといえば、明るいピンク色が特徴だが、プロヴァンス地方のロゼワインは、洗練されたニュアンスの繊細な色あいだ。微妙な色調をあらわすのにつかわれるのは、スグリ、モモ、グレープフルーツ、メロン、マンゴー、マンダリンオレンジなどフルーツの名前だ。

南仏バンドールのワインは気候を活かして作られた!ロゼワインのピンク色はどこからくる?

バンドールのブドウ畑は、サント・ボーム山塊から地中海沿岸にかけ、自然がつくり出した石の積まれた段丘のレスタンクに広がっている。生産者たちは何世紀もかけて、丘陵を開墾してブドウ樹を植えた。海に面した南向きの畑は、年間を通してたっぷりと陽光を浴びる。バンドールの赤ワインは、おもにムールヴェードルからつくられている。ゆっくりと熟すムールヴェードルは、このアペラシオンの中心品種で、アサンブラージュの50%以上を占め、グルナッシュとサンソーをあわせてつかう。前者はボリューム感を、後者は繊細さをもたらす。ワインは長期熟成型で力強く、しっかりとした骨格で、ドライハーブやスパイスのアロマを備えている。

ロゼワインの醸造では、黒ブドウの果皮を漬け込むため、色素が果汁に溶けてピンク色になる。つまり、色はタンク内での果皮と浸漬時間、温度、ほぼ無色の果汁と果皮の接触度に左右される。現在のトレンドは淡いピンク色。ロゼワインの色とクオリティに相関関係はないが、ビジュアルは重要で、選択基準の1つにもなる。淡い色のロゼワインは、より酸が生き生きとしてアロマが豊かだ。濃い色のロゼワインには、上質なメイン料理とあう高品質のものもある。

★ワインを観察してみよう ★各種ワインの醸造法とは? ★料理との組み合わせを知ろう ★フランスだけじゃない!世界のワインとは?
などなど気になるタイトルが目白押し!

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【書誌情報】
『エコール・デ・ヴァン・エ・スピリテューの一生に一冊はもっておきたいワインの教科書』
エコール・デ・ヴァン・エ・スピリテュー 著/奥山久美子 監修

エコール・デ・ヴァン・スピリテューはワインの本場、フランス・パリに本拠を置く人気のワイン専門学校。体系的メソッドにもとづくグランド・テイスティングコースから生まれた本書では、パリの授業をまるごと基本からあらゆるワインの紹介までまとめています。さあ、さっそくテイスティングをはじめましょう。実践重視の学校らしい、テイスティングの視点からぜひ試してほしいワインが満載。フランスは圧巻の充実ぶり、ニューワールドもていねいに紹介します。 すぐれたワインはなにが違う?どうやってアロマは生まれる?どうすればアロマを見きわめたり表現したりできる?ワインの特徴や、クオリティが生まれる仕組みも図解だからとってもわかりやすく、簡潔。各章末には、それまで学んだことをベースにトライできるテイスティングレッスンを用意しています。テイスティングのためのワインもしっかり紹介。学んだことが、ワインにどんな違いを生むのかあなたの舌でたのしく復習しましょう。すきま時間にぴったりのテストもあります。この本が、シンプルな「好き」「嫌い」をこえてあなたのテイスティングのアプローチを新たな次元へと導いてくれるはず。

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