幾度となく高潮に脅かされてきた東京 前線基地として台風・津波・高潮から守る東京都第二高潮対策センター

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」で台風や地震で発生する津波や高潮から東京を守る、東京都第二高潮対策センターを紹介しました。

◆TOKYO防災 A to Z #12 東京都第二高潮対策センター

防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」。
今回は、台風や地震で発生する津波や高潮から東京を守る、東京都第二高潮対策センターを取材しました。

美しい街並みと歴史ある文化が共存する東京。
その発展の裏には、過去の災害によって培われた教訓を活かした街づくりがあります。
そして、その歩みは未来へ。
備えよう、今も、100年先も、安心と安全を守るために。

頻発する自然災害に備え、東京都が想定する五つの危機。
今回のテーマは、「風水害への備え」です。

東京湾に臨む、江東区や江戸川区、その奥の葛飾区、墨田区、足立区は、海面水位よりも低い、海抜ゼロメートル地帯が広がるエリア。
東京都によると、この地域に大型の台風が直撃した場合、高潮によって、約150万人が浸水被害を受けるとの高潮被害想定を発表しています。

台風が近づくと、気圧が下がり、海面が上昇。
そこに強い風が吹いて、海水が海岸に引き寄せられることで、高潮が発生します。
かつて、東京は、幾度となく高潮に脅かされてきました。

そこで、東京の街を守るため、東京都港湾局が整備しているのが、海岸保全施設。
その要となるのが、海水の侵入を防ぐ防潮堤です。

東京港の防潮堤は、日本で過去最悪の被害を生んだ伊勢湾台風クラスの高潮に耐えうるよう、最大7mの高さに設計されています。
また、防潮堤が作れない沿岸部の道路には、緊急時にのみゲートを閉めて市街地への浸水を防ぐ「陸こう」、河川から海水が逆流するのを防ぐ「水門」を設置し、水害に備えています。

(東京都高潮対策センター 堀川誠司所長)「現在、東京港内には15の水門があり、定期的な運転をして、いざというときに閉められる状態を、常に保っています」

水門の開閉を遠隔で行うのは、東京都第二高潮対策センター。
24時間体制で東京港の状況を監視する前線基地です。

(東京都高潮対策センター 堀川誠司所長)「高潮や津波のときに、現地へ行って水門などを閉めるのは、作業者に危険が伴いますが、遠隔操作で閉めれば、その危険はなくなる」

高潮の流入を防ぐ水門は、操作開始から10分以内に閉めきることができます。
万が一、地震などで停電になった場合に備え、自家発電による予備電源を確保。
さらに、不測の事態には、職員が手動で閉めることもできます。

現在は、想定される最大級の地震や津波に対応できるよう、防潮堤や水門などの耐震対策も進められています。
近年、脅威を増す自然災害を見すえ、東京の沿岸を、万全の備えで守ります。

都では、100年先も安心な都市を目指して、「TOKYO強靭化プロジェクト」を策定しています。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

関連リンク
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/kyoujinkaproject/

番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:杉浦みずき、白戸ゆめの
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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