小橋工務店 CLT活用し新本社 高い意匠性、構造計算簡略化

小橋工務店の新本社。CLTを活用して意匠性の高い外観に仕上げた

 小橋工務店(岡山市東区東平島)は、新建材CLT(直交集成板)を活用して本社を建て替えた。強度の高いCLTの特性を生かして2階の一部を外壁から張り出させ、意匠性の高い外観に仕上げた。構造計算も簡略化したといい、工法を公開してCLTの利用促進につなげる。

 新本社は木造一部2階(延べ約300平方メートル)。2階が1階部分から3.6メートル突き出ており、支えの柱がなく空中に浮いたような姿になっている。CLTのパネルを2階の床と屋根に採用して強度を確保した。建物全体の構造計算が複雑にならないよう、柱や梁(はり)など構造体へのCLTの使用は避けた。総工費約7千万円。

 工法は、集成材メーカーの銘建工業(真庭市勝山)や建築設計の倉敷構造設計室(倉敷市船倉町)の協力を得て考案。岡山県建築士会などを通じて見学会を行っており、同業他社に公開している。

 新本社の広さは旧本社の1.5倍となり、カフェのような内装の商談ブースや会議スペース(各100平方メートル)を設けた。業務で使用しない時はイベント会場などとして地域住民らに無償で貸し出す。

 小橋正浩社長は「CLTに関する専門的なノウハウを持たない工務店でも活用できると知ってもらいたい。CLTの普及と地域コミュニティーの活性化に貢献する拠点にしたい」と話す。

 同社は1945年設立、資本金3千万円、売上高約6億円(2023年3月期、従業員17人。

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