犬の『急な興奮』の原因は?4つの心理と見逃してはいけないサインまでを解説

犬が「急な興奮」をする時の心理

普段は穏やかな犬が「急な興奮」をしたら、初心者の飼い主さんは驚いてしまうかもしれません。しかしその原因が分かっていれば、安心して対応できますよね。

そこで今回は、犬が「急な興奮」をしてしまうときの心理について解説します。

1.「嬉しい♡」という気持ちが抑えられない

犬が急に興奮するのは、「嬉しい♡」という気持ちが抑えられなくなってしまったからです。

  • お散歩に行くことが分かった時
  • 飼い主が帰宅した時
  • ごはんやおやつがもらえる時
  • 仲良しの友達犬に会った時

このような時、「嬉しい♡」という気持ちが抑えられなくなり、急に興奮してしまうことがあります。

2.不安や緊張で押しつぶされそう

犬が急に興奮するのは、不安や緊張で押しつぶされそうになっているからです。

不安や緊張した状態が長く続いた時、犬が自分自身では上手く感情をコントロールすることができなくなり、パニックに陥ることで急に興奮してしまうことがあります。

犬がパニックに陥ることで急に興奮してしまう前の見逃してはいけないサインは、パンティングです。

不安や緊張した状態が長く続いている時、犬はパンティングをします。不安や緊張が高まれば高まるほどパンティングは激しさを増します。

よだれをダラダラと流してしまうこともありますし、酸欠になることでチアノーゼという症状を起こしてしまうこともあります。

激しい運動をしたわけでもなく、暑いわけでもないのに激しいパンティングをしている時は、不安や緊張に押しつぶされた犬がパニックを起こし、急に興奮するかもしれない一歩手前である、と考えて対処するとよいと思います。

3.溜め込んだストレスを発散させたい

犬が急に興奮するのは、溜め込んだストレスを発散させたいからです。

  • お留守番している時間が長い
  • 飼い主や家族とのスキンシップやコミュニケーションが不足している
  • お散歩に行けていない
  • 引っ越しや出産などで生活環境が変わった

このような時、ストレスを溜め込んだ犬の心が爆発してしまったかのように、急に興奮することがあります。

室内を猛ダッシュしたり、自分のしっぽを追いかけ回したり、飼い主に対して怒りっぽくなるなどすることがあります。

溜め込んだストレスを発散させたい!という気持ちから急に興奮してしまう前の見逃してはいけないサインは、自傷行為や破壊行動です。

自傷行為と言うと少し大袈裟かもしれませんが、自分の手足を執拗に舐めたり、前歯でカミカミしたり、しっぽを噛んでしまうことがあります。炎症や傷がないか確認してあげてください。

破壊行動では、家具や物を破壊したり、自分のおもちゃを破壊したり、普段にはしない行動をしてしまうことがあります。ストレス発散のはけ口にしたかったのでしょう。

4. 恐怖心による命の危機を感じている

犬が急に興奮するのは、恐怖心による命の危機を感じているからです。

よくあるのが、花火や雷の音や光や振動に恐怖を感じて急に興奮することです。外で飼われている犬の中には、パニックを起こし、家を飛び出して迷子になってしまう犬もいるほどです。

  • 体の震えが止まらなくなる
  • 飼い主に抱っこされたがる
  • 鳴き続けてしまう
  • お漏らしをしてしまう

恐怖心による命の危機を感じた犬には、このような仕草や行動が見られることがあります。

急に興奮する前の見逃してはいけないサインは、ソワソワと落ち着きがなくなることです。人間が花火や雷の音・光・振動を感じるよりももっと早く、犬は感じ取っています。

雷であれば、空気のニオイが変化すること、気圧が変化すること、静電気が発生することなどからも事前に予測しているのではないかと思います。

花火大会が行われる予定の日、雷が発生する予報が出ている日など、愛犬の小さな変化を見逃さないようにしましょう。ソワソワと落ち着きがなくなり始めた頃から対処してあげるとよいと思います。

まとめ

犬が急に興奮する時の心理を4つ解説しました。

  • 嬉しい♡という気持ちが抑えられない
  • 不安や緊張で押しつぶされそう
  • 溜め込んだストレスを発散させたい
  • 恐怖心による命の危機を感じている

犬が急に興奮すると、犬が滑って転倒したり、人に飛びかかったり、犬同士の喧嘩に発展するなど、トラブルや怪我に繋がりやすいです。

急な興奮の前にサインが出ている場合もありますので、見逃さないようにし、興奮する前に対処するようにしましょう。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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