刺身でも安心“陸上養殖サバ”秘密は水にあり!静岡市清水区

静岡市清水区の“陸上養殖で育ったサバ”が注目されています。刺身でも安心して食べられるという養殖のサバ。秘密は水にありました!

30日、一足早く関係者にお披露目された“陸上養殖のサバ”。世界遺産・三保の松原にちなみ、その名は「三保松さば」です。気になるその味は?

(杉本汐音 記者)

「脂が乗っていて魚臭さも全くなくてとてもおいしいです」

静岡県内で生のサバを提供するのは珍しいといいますが、この飲食店では、この刺身の味に惚れ込み店で提供することを決めたといいます。

(なすび 藤田尚徳 専務取締役)

「サバを生で食べるのか、肝と白子を食べて大丈夫かと思ったが、食べた瞬間、おいしさと鮮度と食感と、これはいけるぞと思った」

刺身でも安心して食べられるというサバ!それを可能にした秘密は、養殖場に隠されていました。

「三保松さば」を育てているのは、静岡市清水区にあるこの陸上養殖施設。直径7メートル、深さ2メートルほどの大きな水槽で、約1000匹のサバが元気よく泳いでいました。水槽の水は三保地区の、海の「地下海水」。深さ30メートルほどからくみ上げています。この「地下海水」は、においがなく、年間を通して18.5度の低い温度が保たれています。また、この「地下海水」には寄生虫の「アニサキス」がいないため、安心して生で食べられるサバが育つといいます。

今回のサバの養殖は、静岡市や東海大学、商工会議所など産官学が連携して誕生した「三保サーモン」に続く第二弾。開発に携わった高橋さんは「どうしてもサバの養殖を実現させたい」理由がありました。

(日建リース事業開発部 高橋亮平 主任)

「私がサバ好き、5、6年前までは焼いて食べるものだと思っていた」「西日本を旅した際に、宿で大トロのサバの刺身が出てきた、サバは生だとこんなにおいしいんだというのが私の中で残っていて」

サバはデリケートな魚で傷みやすいため、開発には困難も伴いましたが、この「地下海水」によって美味しい魚に仕上がったといいます。

「三保松さば」は7月1日から期間限定で市内の飲食店で提供されます。店ではとれたて新鮮な刺身や…肝ダレでいただくお造り。見た目が華やかなブルーレアのカツなどで楽しめるということです。「三保松さば」が新たな“しずまえブランド”として地域の活気をもたらすことが期待されています。

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