警察署で管理する現金、交際相手の女性に渡す 職員を懲戒処分 総額2100万円借金、生活費など送金繰り返す

兵庫県警察本部=神戸市中央区

 警察署が管理する現金9万9千円を交際相手の女性に生活支援名目で渡したとして、兵庫県警は30日、北播方面の警察署に勤める男性職員(37)を停職1カ月の懲戒処分とした。職員は、全額を返還。県警の調べに「女性からの要求に応えてあげたかった」と話し、同日付で辞職した。

 県警によると、職員は地元の防犯協会など3団体が寄贈する広報撮影用のパネル製作費として3月初旬に現金を受け取った。全額を持ち帰り、交際女性の口座に送金したという。

 業者から代金未払いの連絡が署に入り、5月中旬に発覚した。県警の調査によると、女性の家賃や奨学金の支払いなど求められるままに送金を繰り返し、昨年1月以降、消費者金融や親族などから総額約2100万円を借りていた。

 県警は、業務上横領容疑で職員を神戸地検に書類送検。監察官室は「職務倫理教養と業務管理を徹底する」などとコメントした。

 また、神戸新聞社の情報公開請求で、息子の交際相手が犯罪に関与しているかを確認するために内部のデータベースに不要なアクセスをした県警本部刑事部門の50代男性警部を本部長注意処分としたことが判明。今年3月末、遺体を取り違えて親族に返還した加古川署刑事部門の30代男性巡査部長2人を所属長注意としたことも分かった。

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