シング・ライク・トーキング35周年、ポップスの王道たる所以

ボーカル・佐藤竹善、キーボード・藤田千章、ギター・西村智彦の3人からなるSING LIKE TALKINGは、日本では珍しい本格派AORバンドとして1988年にデビュー。当初は地道な活動を余儀なくされたが、1991年にCMソングに『With You』が起用され、注目度は一気に上昇。1992年のアルバム『Humanity』はオリコンチャート3位を獲得するなど、ブレイクを果たした。

デビュー35周年を迎えたSING LIKE TALKING

彼らのなにが人々を惹きつけるのか。第一はやはり、純粋な楽曲の良さに尽きる。ビートルズに代表される60〜70年代のポップスやロックにソウル、ジャズ、ファンク、ラテン、フュージョンまで、多大な引き出しを持つサウンドを奏でながらも、あくまでシンプルで耳に心地よい「日本語の歌」を中心に据えた楽曲群は、山下達郎、桑田佳祐に代表される、日本のポップスの王道をゆくものだ。

なかでも最大の魅力が、ボーカル・佐藤竹善の歌声。「語るように歌う」というバンド名さながらの流れるようなボーカルスタイル、都会的な清涼感あふれる歌声はシティポップ再ブームの今、若者にも訴えるものがあるのではないだろうか。オールドファンだけではなく、コブクロ、SEAMO、柴田淳といったミュージシャンも影響を公言している。息が長い上に、次世代にも影響力のあるバンドなのだ。

SING LIKE TALKING『Spirit Of Love』

今回、9月17日に「NHK大阪ホール」(大阪市中央区)でおこなわれる『OFF THE CHAIN』は、彼らのデビュー35周年を記念したコンサート。かねてより病気療養中だった西村がこの4月、東京「中野サンプラザホール」のワンマンライブで復帰。関西ではこの日が初の復帰ライブとなる。

ゲストを招いた『FRIENDS!』公演に対し、『OFF THE CHAIN』公演は、BIG HORNS BEEを迎え、ホーンセクションを生かしたナンバーを中心としたライブとなる予定。35周年記念にふさわしい華やかなステージとなりそうだ。チケットはS席1万5400円(特典付き)、A席1万1000円(小学生以上有料、未就学児童の膝上観覧可能)。7月15日に各プレイガイドにて発売される。

文/井口啓子

SING LIKE TALKING『Spirit Of Love』

『Sing Like Talking 35th Anniversary "OFF THE CHAIN”』

日時:2023年9月17日(土)・18:00〜
会場:NHK大阪ホール
料金:S席15400円(特典付き)、A席11000円
電話:06-6344-3326(ソーゴー大阪/平日14:00~16:00)
※小学生以上有料、未就学児童の膝上観覧可能

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