銚子電鉄が2年連続黒字、副業好調で増収 株主総会を初の電車内開催 純利益は約56倍に

株主総会の会場となった列車。「株主総会」のヘッドマークを付けて運行した=30日、銚子市

 銚子電鉄(銚子市)は30日、2022年度決算を発表した。純利益は1196万円で、前年度に続いて2年連続の黒字になった。ぬれ煎餅(せんべい)の販売など、本業の鉄道部門を支える物販の売り上げが好調だった。同日、貸し切った同電鉄の列車内で株主総会が開かれ、決算が承認された。

 鉄道部門は、乗車人員が前年度比21.5%増の35万9322人。新型コロナ禍で落ち込んだが、コロナ禍以前と同じ水準まで回復した。運賃収入も約3割増えて7766万円になった。

 食品販売を主とする副業部門の売上高は同18.5%増の5億3418万円で過去最高を記録。卸売や他の鉄道会社との連携による駅構内での販売など販売網充実を図ったのが奏功し、1億2千万円を超えた鉄道事業の大幅赤字などのマイナス要因を補った。純利益は前年度の21万円と比べて約56倍になった。

 株主総会は初めて列車内を会場に設定。「株主総会」のヘッドマークを掲げた列車が運行した。総会後、竹本勝紀社長は「『お菓子ばかり売っている、おかしな会社』と言われるが、鉄道を存続させるために鉄道以外のことに注力して結果的に1千万円を超える黒字となった。地元や全国の皆さまの熱い応援があってこその数字。心から感謝します」と語った。

 銚子電鉄は市内の6.4キロを運行。「銚子鉄道」として1923年に開業してから7月5日で100年を迎える。

走行する列車内で開かれた株主総会であいさつする竹本勝紀社長=30日、銚子市

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